『私は私の遺志により眠りに就きます。』
彼はそう遺して、自身を荊に閉じ込めた。



王に子が産まれた。
王は大層お喜びになったが、そのお子には魔力がほとんど無かった。これは魔力により繁栄を築いた王宮一族にとって認めがたいことである。そのため王はあらゆる手を使い子の魔力を発現させようとしたが、結果は全て失敗に終わった。
極めつけは、お子が魔法の杖を放り出し警護の剣を握ろうとしたこと。
それをきっかけに、王はお子に一切の関心を示さなくなった。