11. 大人組 銀時side



 お祭り事件から数日。人々からその話題が外れるころ。


「行ってきまーす! 」


 4人の元気な声がひのやに響く。俺は手だけをあげて、スーパーに買い出しに行くなまえと晴太、神楽と新八を見送る。

 俺たちはなまえの怪我の具合をみに、あれからも時折吉原に出入りしていた。



「てか普通に仕事してるけど、アイツ怪我人の自覚あんの?」
「私が休んでいいって言っても聞かなくてねぇ」
「なまえに何かあれば容赦せんと言ったのに。お主の腰にあるのは飾りか? 」



 いちごオレを飲み干せば、煙管をふかした月詠にピシャリと言われた。ちくりちくり会うごとに言われる。お前は姑か!



「それは本当に悪かったって言ってんだろ! 」
「……まぁ、いつまでもお主とこんなだと、なまえが心配するからな。
今度はわっちとの約束破るなよ、銀時」



 へぇーへぇーと適当に流せば目の前にクナイが飛んできた。って今日は世間話をしに来たんじゃねェ。



「それで、何か分かったのか」



 真剣な声色で言えば、月詠も察したのか、ふぅ、と深く煙を吐きだす。あの事件は不可解な事ばかりだ。



「大規模な停電も仕掛けられた事だったんだろ」
「あぁ、提灯を吊るしてた縄も何者かによって切られた形跡がある」




 やっぱりあのタイミングで停電が起こり、提灯が落ちてきたのは偶然じゃねぇ。




「神楽と姫が祭りに来たのは確か偶然だったな? 」
「あぁ」
「でも銀さん、月詠。犯人はもう誰かに撃たれて、息絶えてたんだろ? 」





 心配そうな顔をする日輪に、眉間にシワをよせて考え込む月詠。姫さんを連れ出したあの犯人が、全てを計画し実行したと、簡単に片付けていいのか分からない。俺はといえば、あの日、姫さんに言われたことを思い出していた。



 姫さんによれば暗がりで奴は顔を確認するなり、"お前じゃない" と呟いたらしい。すぐ気絶させられ、ゴミ捨て場に放り投げられた。ってか将軍の妹をゴミ捨て場に投げんな! 危うく報告した俺の首が飛ぶトコだったわ。





「奴は誰を探してたんだ? 」

「どうしたんです? 3人とも怖い顔して」





 このシリアスな場面を壊すかのように優しげな声が響く。大量の買い物袋を下げた4人が帰ってきた。このまま話を続けるべきか迷っていると、同じことを感じたのか、日輪と月詠と意味深に目が合う。




「みてヨ! なまえが買ってくれたネ」
「なまえさん、ごちそうさまです」
「ありがとう! なまえ姉」



 そう喜ぶ3人の手にはうまそうなアイスクリーム。だが、本人はニコニコしながら何も持っていない。コイツ、絶対損するタイプだ。



「ありがとな」



 礼を言えば、銀時さんはおかわりいります? と空いた俺のグラスをみて微笑んだ。



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