「おい」
「お、あっくんだ」
「あっくんて呼ぶな、てかテメエが呼んだんだろ」
「いや〜本当に来てくれると思わなくて」
「しばくぞ」
「やれるものなら」
「ちっ」
「舌打ちしなーいの」
「で?」
「ん?」
「わざわざ呼び出した理由はなんだ」
「え!わからないの?!」
「知るかよ」
「だっ!なんでデコピン!?」
「ムカつくから」
「なにそれひどい」
「何もないなら帰るぞ」
「いやいや何もないなんて一言も言ってないよ!」
「ならさっさとしろよ」
「あっくん急いでるの?予定ありあり?」
「別に……」
「なら良いじゃん」
「なんなんだよ」
「まあまあ、とりあえず行きましょうか」
「さりげなく手繋ごうとするな」
「えーじゃあ腕くむ」
「歩きにくい」
「文句多いなあ、でも振りほどかないあたりあっくん優しいよね」
「うるせえ」
「よし、ついた!入ろう!」
「あ?」
「ここのケーキ美味しいの、イートインできるの」
「なんで俺が」
「モンブラン美味しかったよ?」
「……ちっ」
「すぐ舌打ちする!」
「あ、きたきた美味しそう!」
「それ食いすぎだろ」
「あっくんも好きなだけ食べてね!」
「そんなに食えるかよ」
「えー」
「太るぞ」
「今日くらい気にしないもん」
「気にしろ」
「はい、これ」
「なんだよ」
「あっくん、お誕生日おめでとう!」
「……おう」
「それは帰ったら開けてね」
「ああ」
「って言いながら開けないでよ!」
「キーケース?」
「うん、ちょっとした小銭も入るよ」
「サンキュ」
「へへ、どういたしまして!」
「で?」
「え?」
「この後どうすんだよ」
「うお、考えてなかった」
「帰るぞ」
「んーじゃあ、あっくんの部屋で寛ぐ」
「は?」
「煙草臭いけど居心地良いんだよね」
「寛ぐだけですむと思うなよ」
「え?」
「出るぞ」
「え?え?」
「今日くらいかまってやるよ」
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