「なに、してたんやっけ」
気がついたら見知らぬ場所に立っていた。
おかしいおかしいおかしい。
だってさっきまで部屋にいたもん。
仕事終わって疲れたなあってゴロゴロしてたもん。
親友とテニプリの世界にトリップしたいねー。
なんて現実逃避してたのに。
え、ほんま、なにしてたんやった?
もしかしてその後に寝たの?それで寝ぼけたまま出勤したの?
そのせいでわけわからない場所に立ってるの?
いや、待てよ。
でも手ぶらってことは出勤したつもりではないよね。
ていうか手ぶらでどうやってここまで来たの。
むしろほんまに手ぶらなんかな。
ここまできてようやく体をペタペタさわってみる。
するとスカートのポケットに何か硬い物が入っていた。
取り出してみると携帯だった。
私のじゃない。
ガラケーって、私スマホやし!
なにこれ人様のやつ!?
あーでもなんやろ。
携帯があるってだけでこの安心感。
「持ち主の方、ごめんなさい!」
誰に対してかよくわからないまま一言謝り携帯を開く。
運良くロックはかかっていなかった。
しかしデータは一つしか入っていない。
友達、いないのかな。
とりあえず自分の携帯にかけてみる。
が……
『おかけになった電話番号は現在使われておりません』
「なんでやねん!!!!」
使われてるし!
思いきり使われてるし!!
私の番号勝手に消すなし!!!
なんや、あれか。
この番号が私をここまで連れてきた犯人か?
やーいドッキリでした的なやつか。
そう思うとだんだんムカムカしてきた。
文句言うてやる!
そう思った私は唯一データに入っている番号に電話をする。
何コールかした後に誰かがでた。
『……はい』
「ここどこ!誰!なにしてんの!なんのドッキリ!はよ説明してや!」
しかし伝わってくるのは相手の戸惑う雰囲気。
「もしもーし。聞こえてますかー。」
なんやねん。
なんか言えや。
こっちはわけわからんくてイライラしとんのじゃい!
『その声、もしかして、なまえ?』
「え、ごめん誰?」
相手は私のことを知っているらしい。
でもそうだと言い切れないという感じだ。
『うちやん、恋人並みの親友ちよやん』
「ちよ!?どうしたん!なにこれ!」
『わからへん、気がついたら知らん場所おって、なまえどこ?会える?てか会いたい一人無理なにこれなにこれ』
「おおおおおお落ち着いてちよ!私今どこかわからへん。でも関東の方かな、共通弁やねん、周りの人らがしゃべってるん」
『ええ!?うち一応大阪っぽい。みんな関西弁やもん……』
「え、遠距離ですか?」
せっかく親友と連絡ついたのに!
お金ないし!
大阪戻れないよ!
back もくじ next