たどり着いた先2

あれからお互いどうするかと話し合った結果、今の自分達の状況を把握しようということになった。

まず、そこから。


ちよは大阪ぽくて、私はきっと東京にいる。

共通弁イコール東京ではないだろうけど、きっとそうだよ、みんな東京の人に見える!

ここ東京ですか?
なんて頭おかしく思われそうで聞けない。

だから最寄り駅を聞いて場所を把握する。
それからどうにかちよと会えないか……もしくはこれからどうするかを考える。

そうまとまったのだが。



「こんな駅聞いたことないよね、田舎なのかしら、いや都会だわ」

『なんか国語でそういう文法習ったね』

「冷静やね、知ってる駅やった?」

『知ってるといえば知ってるけど目おかしいかもしらん』

「え??」

『いや、妄想しすぎて頭おかしくなったんかもしらん』

「もしもーし、戻ってきてくださーい」

電話の先で何を言っているかわからないが様子が目に浮かぶ、さすが長年親友やってるだけあるぜ私。

こういう時はしばし待つに限る。

『はっ!こういう時はほっぺをつねるんだよね、痛い!リアル!?これリアル!?』


ほら、だんだん戻ってきた。


「リアルですよーこれが現実ですよー夢やないですよー」

『でもでもでも!!!これが夢やないならうちこのままで良い!!!!!』

「はい?なんでそうなる??」

『やって、ここ、四天宝寺やもん!!!』



な、なんですって!?!?!?




ちよが四天宝寺にいる……ということは。

「もしかして私もテニプリの世界にいるの?」

『だよね!テニプリだよね!!!ふんふん!』

ちよの鼻息があらいのはおいといて。
東京ということは?

『なまえがいてる場所ってやっぱり青学なのかなー?』

「私も思ってた。でも別の場所が良かった……」

『なんで!リョーマ可愛いやん!』

「そう、かもしらんけど」

『ていうかまだ会えるかどうかもわからないのにねー!あっはっは!……会えないなら今すぐ帰りたい、ぐすん』

ちよは情緒不安定な生き物である。

「いや、会える!というか私は会いに行く!!!!!」

私は時にポジティブである。

『お、おおおお。なまえがかっこいいよ!』

「来たからには会わないと!ちよにもあげよう、私のよーゆーうーーーー」

『きたあ!なんかパワーでてきたあ!!!』


ふと気がつくと周りから冷たい視線が……。
そりゃあ駅前でこれだけ大きな声で電話していれば目立つというか迷惑である。

「とりあえず場所移動しよう。視線が痛すぎてつらたん」



まだどちらかというと一般人である(と思いたい)私はこの場から逃げることにした。


『でもさー駅が青春学園前ではないってことは他校かなあ?』

「いや、それってバス停やなかった?駅は違うんちゃうん」

私たちは好きな部分だけに関しての知識しかないのでよくわかっていない。

とにかく誰かテニプリキャラに会えればわかるのになー。たぶん。



ちよはすっかりやる気が出たみたいで歩き回りはじめている。
四天王寺なら行ったことあるからなんとなく大丈夫な気がすると言っていた。

電話はバッテリーが気がかりなので夜にもう一度かけることにした。


私はキャラに会いたいがそれよりも寝泊まりできる場所がほしい。

いや、誰かに会えば泊めてもらてるか?
いやいや、いきなり初対面を泊めるとかないでしょ。
いやいやいや、でもこういうトリップではありがちな話だから期待できそうだ。


私は頭の中がぐるぐるのまま歩くことにした。

とにかく動こう!
ここにずっといたって何もかわらない!



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