ある日の部活帰り、金ちゃんがどうしてもたこ焼きを食べて帰りたいと言い出した。
「な〜!たこ焼き食べて帰ろうやー!!!」
「遅くなるし、帰ったら晩御飯あるやろ」
「晩御飯もちゃんと食べる!」
「でももう外暗いねんで?」
「ペコペコで動かれへん帰られへん〜!!!」
テコでも動きません!と言わんばかりに地面にへばりつく。起こそうと思ってもビクともしない。レスリングかなという白石と金ちゃんのやりとりに思わず笑ってしまった。それに気がついた白石と目が合う。
「ええやん、冷めてるやつならすぐ食べれるやろうし、帰る組と寄る組にわかれても良いし、二人で一パックつまんでも良いやん」
白石が断った理由にこれなら大丈夫でしょ、と提案をするとみんなが驚いた目で私を見てきた。なんでだろうと思ったのもつかの間、財前に声をかけられる。
「みょうじ先輩は?」
「私も金ちゃんとたこ焼き組」
そう答えると、またまたみんな目をグリンとさせて見てくるから軽くホーラである。なんなんだ。嫌な気持ちになっていると、一氏が珍しく言いにくそうにした。
「なんか、あれやな。めずらしいな」
「え?」
「いつもなまえちゃんは帰ってまうもんね」
「そうそう、金ちゃんの我儘には付き合ってられんって」
「見たい番組あるからとかなんとか言うてたような」
めずらしいの言葉に首をかしげると、上から小春ちゃん、忍足、銀さんがご丁寧に説明してくれた。
あー私そんなキャラだったのか〜そりゃみんなと仲良しこよしではないわけだと少し納得してしまうのだった。
「せやんな、いつもみょうじさんおったっけ?」
「どうやっけ?まあええやん、行こうよ」
白石がなんとも言えない顔で聞いてきたことも私にはわからない。適当に返事をするとみんな腑に落ちない顔をしている。特に忍足は「みんなで食べたことあるやん」と納得できていないようだった。
ただ一人金ちゃんだけは「なんでもええやん、みんな変やで」と言ったので、一体変なのは誰なのか、というそれこそ変な空気になりそうだった。
それは私、という事はなんとなくバレたくないので「そうそうみんな変やで、たこ焼き食べよ」と周りのせいにしつつ元の話題に戻した。
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