私の彼氏は周りからはどうも冷たい人にうつるらしい。
「なまえ意地悪されてへん?」
「泣かされてへん?」
「ちゃんと彼氏してくれてるん?」
などとよく心配される。でも、みんなが思ってるような人じゃない。私のことをお姫様扱いしてくれる王子様だってこと、なんだかもったいなくて誰にも言えない。今日だって迎えに来てってお願いしたら、文句言われたけどああやってちゃんと待ってくれている。
「光〜!!」
「なまえ先輩走らんとってください」
「なんでー?はよ会いたいやん」
「どんくさいねんからこけて怪我するやろ」
「大丈夫だよ、その時は光にもらってもらうから!」
思わず抱きついてしまう。
「そうならんでも他の奴に渡す気なんてさらさらないっすわ」
もーーー!!!光ってばいつも私のほしい言葉を言ってくれる。毎日ときめいて毎日惚れ直してなんて幸せなんだろう。
「なににやついてんすか?」
「光が彼氏で幸せやなあって」
「はいはい、今日は指輪買いに行くんやろ」
「うん!だって一年記念日やからね!」
そして私達はアクセサリーショップで手頃でシンプルなペアリングを買った。
「裏に記念日と名前ほるの無料でラッキーやったね!」
お店を出てさっそく左手の薬指にはめる私達。
「なんか嬉し恥ずかしやね、えへへ」
「こんなんで照れてたらこの先もたないっすよ」
「えーなんで?」
「いつかちゃんとした指輪渡すんで受け取ってくださいね」
今はこの指輪で俺の彼女でいて。
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