長年の計画1

私の彼氏は周りからはどうも冷たい人にうつるらしい。

「なまえ意地悪されてへん?」
「泣かされてへん?」
「ちゃんと彼氏してくれてるん?」

などとよく心配される。でも、みんなが思ってるような人じゃない。私のことをお姫様扱いしてくれる王子様だってこと、なんだかもったいなくて誰にも言えない。今日だって迎えに来てってお願いしたら、文句言われたけどああやってちゃんと待ってくれている。

「光〜!!」

「なまえ先輩走らんとってください」

「なんでー?はよ会いたいやん」

「どんくさいねんからこけて怪我するやろ」

「大丈夫だよ、その時は光にもらってもらうから!」

思わず抱きついてしまう。

「そうならんでも他の奴に渡す気なんてさらさらないっすわ」

もーーー!!!光ってばいつも私のほしい言葉を言ってくれる。毎日ときめいて毎日惚れ直してなんて幸せなんだろう。

「なににやついてんすか?」

「光が彼氏で幸せやなあって」

「はいはい、今日は指輪買いに行くんやろ」

「うん!だって一年記念日やからね!」



そして私達はアクセサリーショップで手頃でシンプルなペアリングを買った。


「裏に記念日と名前ほるの無料でラッキーやったね!」

お店を出てさっそく左手の薬指にはめる私達。

「なんか嬉し恥ずかしやね、えへへ」

「こんなんで照れてたらこの先もたないっすよ」

「えーなんで?」



「いつかちゃんとした指輪渡すんで受け取ってくださいね」




今はこの指輪で俺の彼女でいて。



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