◇お前か、俺の弁当盗んだのは。(日吉ver)

ピアノのテストが再テストになった私は音楽室へ向かう。お弁当また忘れたしすることないし。

するとどうだろう。またもや食べ物がある。

ぬ、ぬれせんべい?

またえらい中学生らしからぬおやつだな。しかしぬれせんべいを食べたことのない私は興味津々だ。

「封も開いてるしちょっと失礼して」

一つ摘まみ食べてみる。

「なにこれ!うんまっ!」

うまいうまいと食べていたらいつのまにか空っぽだ。

「えーもっと食べたかったなあ」

もうないのはわかっているが袋を逆さにしてふってみる。その時に扉の開く音がしてそちらを見てみると。

「あ、日吉」

私の手に持つ物を見ると少し驚いた顔をした。

「それ、そのぬれせんべい」

「これ?誰かの忘れ物〜初めて食べたら美味しかった!」
でもあまり入ってなくてなくなっちゃった。

「は?それ俺のなんですけど」

「え?」




私は苦手なミステリースポット巡りのカメラマンをさせられることになった。




お前か、俺の弁当盗んだのは。(日吉ver)


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