そばにいて
なんだか眠りが浅くて目が覚めてしまって、スマホで時間を確認したら深夜0時過ぎで。隣を見れば、系はすぅすぅと寝息をたてて寝ている。静かにベッドを抜け出せば、ひんやりとした空気にぶるりと体が震えた。
「飲み物なにも無いし…」
飲み物が無ければ、明日の朝困る。いまも少し喉が乾いているし、潤してから寝たい。うん、面倒くさいけどコンビニに買いに行こう。
身支度をして静かに家を出た。系、起こしちゃって無いと良いんだけど…。
彼の事を考えながら夜道を歩く。
ラボ内では無愛想だなんて言われてる彼だけど、付き合ってからは二人きりの時だけ不器用に甘えてくれる時があって、それがとてつもなく愛おしい。
徒歩数分のコンビニでお茶や序でにアイスも買って、帰路につく。アイス、帰ったら食べちゃおうかな。いや、カロリーが気になる。寝る前に寝たら太るよなぁ。うん、明日仕事から帰ったら、系とふたりで食べよう。そう決断して、家のドアノブに手を触れようとした所でそれは荒々しく開いた。
「名前!」
焦ったような、泣きそうな顔をした系が出てきて抱きすくめられた。
「どこに、行ってた」
「コンビニに行ってたの。系、寝てたから…」
「俺を残して…消えちまったかと、思った」
「大丈夫よ、飲み物買いにいってただけ。家に入ろう?」
そう促せば、何も言わずに着いてくる系のその手は、痛いくらい強く私の手を握っていた。
ソファに座れば、系も隣に座ってまた私を強くきつく抱きしめた。あのひとと同じようにいなくなってしまったのかと、思ったの?…なんて、口が裂けても言えないこと。不安定になっている彼が安心できるよう、背をぽんぽんと優しく叩いた。
「系、大丈夫よ。大丈夫」
「っ、頼むから、俺のそばから居なくなるな」
「うん、ずっとそばにいるよ」
「…もう、あんな思いをするのは嫌だ」
そう言った系の瞳からは涙が一筋頬を流れ落ちた。
「うん…今日は手を繋いで寝よう?」
「愛してるよ、系」
「名前、愛してる」
その日、私たちは寄り添い
手を繋いで眠りについた