微かな変化
▽
無事 雄英進学の許可を貰った。
からには合格しなくては意味が無くて
永和は元々理数系は得意だった為
苦手な現国と英語に絞って勉強していた。
そんな中、もう1人変化を見せた人物がいる。
「あ、出久おはよー」
「永和ちゃん お、おはよ…!」
「どうしたの?体調悪いの?
凄い疲れてるみたいだけど…」
「い、いや、これは朝のトレーニングを…」
「へー、凄いね。あたし朝からは無理。」
「トレーニング?でも永和ちゃん必要ないんじゃ…」
「あ。あたしヒーローになる事にした。」
「ええ!!?ど、どうして…!?
いや、凄く良いと思うけど
あんなに興味なさそうだったのに!」
「そうだったんだけど…
あたししか助けられない人も
世の中にいるんだと分かったんだ。」
「永和ちゃん…」
「あとはね、この間のヘドロ…
勝己がピンチの時に出久が飛び出したのを見て
少し悔しかった…出久も危ない目にあって
助けられたはずのあたしが後ろにいたのが。」
「でもあれはヒーローに凄く怒られて…」
「行動力って大事だと思うよ。
あの時 ヒーローは出久に見えた。」
「永和ちゃん…」
「でも勝己のプライドに障ったから
あの後八つ当たり酷かったけどね。
あたしまでヒーロー言い出すし…」
「そ、そっか…ごめんね…(汗)」
「ほんとなんで出久は無個性なんだろうね。
もったい無い…」
「ッ……う…ん…」
「…ごめん。そんな事 出久が一番思うよね。
トレーニングほどほどにね。
疲れもおばさん心配するから見せないように。」
「ッ……ぁ、ありがと!永和ちゃん!」
永和は軽く緑谷に手を振って
自分の教室に入っていった。
緑谷は永和の優しさに胸が痛かった。
無個性じゃなくなった。
そんな事言えるわけもなく
これはあの英雄 オールマイトとの約束だ。
だんだん遠くなる彼女の背中を見つめ
グッと拳を握り締めていた。
×ーー×ーー×
あのヘドロ事件からは爆豪も何処か大人しかった。
永和に対しては相変わらずだが
緑谷を虐める事が無くなり最近は平和だ。
それがどうしてなのかは分からない。
それに対して触れる事も無いまま
受験に向けて月日は流れていく。
中学三年生最後の冬休み。
受験生は此処が正念場となっている。
永和も秋から始めたランニングを続けて
寒い空気の中に暖かい息を吐いている。
「永和。」
「!、勝己 お使い行ってきたの?」
「ババアにパシられた。」
「お使いなんだね。」
「てめえの事だから続かねえと思ったけど
続いてんだな。ソレ。」
「ランニング?ほんとはすっごく疲れるけど
雄英行くって言ったからには
頑張らないといけないでしょ?」
「……」
「勝己?」
クシャクシャクシャ。
爆豪は何も言わないまま
急に永和の頭をグシャグシャに撫でた。
「……まだ走んのか。」
「んー……じゃ、帰る。」
「じゃってなんだよ。」
「え、一緒に帰りたいんじゃないの?」
「誰が思うか!(怒)」BOM!
「……(絶対そんな顔してたくせに…)」
キレながらも素っ気なくとも
爆豪はとろとろ歩く永和の歩幅に合わせて
ゆっくりと歩いていく背中を見て
永和はクスリと笑った。
▽