命の危機










午後 ヴォルフは発明品の開発しに行って
私は能力の練習を久しぶりにしていた。
腕をブンッと殴るように前に伸ばすと
大きな風圧が雪を吹き飛ばす。
50m雪中走ってみたら一瞬で走り切ってた。
私の能力は身体能力向上。
でもそれ以外にも私が触れたものにも影響はある。
雪玉を木に投げたら強い衝撃が鳴って
まあるく木を突き抜けて行ってしまった。

そろそろ夕食の準備をしようと家に戻ろうとすると、
ドガンッと大きな爆発の音が聞こえて
びっくりして音の方向を見ると畑の方だった。



「ヴォルフ…?」



私はなんだか嫌な予感がして畑の方に行くと、
飛行機のような機械から火と煙が上がっていて
それからヴォルフが血塗れで倒れていた。



「ヴォルフ!!」



私は駆け寄ってヴォルフに声を掛けるけど
返事もなくグッタリとしていた。
ヒドイ量の血が流れ出ていて、
早くローに見てもらわなきゃと思い、
能力で軽々とヴォルフを抱えて走った。
走るスピードも能力でかいつもより断然早い。
直ぐにロー達が帰ってきたのが見えた。



Σ「は!?」

Σ「え!?アメリ足早ッ!!」

Σ「担がれてんのはヴォルフか!!?」

「ロー!ヴォルフが…ヴォルフが!!」

Σ「「「「!!」」」」



能力を使ったまま皆んなの前に出るのは初めてだけど、
頭はヴォルフの事でいっぱいでそんな事関係なかった。



Σ「じいさん!?」

「爆発がした後 畑で倒れてて…
乗り物みたいなのが落ちてて、事故かも…!」

「ッ……ベポ!湯を沸かしておいてくれ!
ペンギン!じいさんを寝かせる手術台の用意を!
シャチ!お前はおれの手術道具一式を出しておけ!!」

「「「りょ、了解っ!!」」」

「アメリ、よくじいさん担いで走れたな」

「う、うん…」

「まさかお前も…」

「え…?」



ローがボソッと何か言っていたけど
家の中が慌ただしくてちゃんと聞き取れなかった。
でも多分私の違和感はローに気付かれてる。
ヴォルフが助かったらちゃんと説明しなきゃいけない。

私は一緒に家の中に入るとペンギンがリビングに
手術台を用意してシャチも道具を消毒していた。



「じいさんの怪我、どれくらいひどいんだ……?」

「……」



ベポが不安そうに声を掛けるけど、
ローは言葉を返す事はなかった。
医者じゃなくても分かる、
シャチとペンギンの手術も見たから
血がたくさん出ているのが悪い事なんだ。
ヴォルフからどんどん血が流れ出ていて
ローが状況を確認している表情は深刻だった。



「そこにいるのは、ローか……」

「とりあえず今は喋るな。おとなしく眠ってろ」

「なんじゃ、ワシは怪我をしとるのか……
ああ……お前らの遊び道具になるかと思って、
電動飛行機の実験をやってたんだがな……
突風にあおられて墜落してしまった……
まったく、これでは天才の名がすたるわい……」

「静かにしてろ!話ならあとで
いくらでも聞いてやるから!」

「ローさん、どうする!?
急いで町に行って医者を呼んでこようか!?」

「だめだ、ペンギン。
町へは片道で一時間近くかかる。そんな余裕はねェよ」

「じゃあ、どうしたら……」

「おれがやる」

「ローさん……」

「おれが、オペをやるよ」



ローはそう言って同じ血液型のシャチとペンギンに
輸血を貰うけど、輸血した次の段階が進まず、
必死に頭を巡らせているようだった。

シャチとペンギンとは違う、ほんとに危険な状態なんだ。
私達はローに託すことしか出来ず、何も出来ない。
私はギュッとローの左手を握ると、
ベポやシャチとペンギンも続けて手を握った。



「ごめん、ローさん……
俺たちは今、なんも役に立てねェ……
あんたに全部任せることしかできねェ……
でも、ローさんなら大丈夫だ!
俺とペンギンを助けてくれたあんたなら、
大丈夫!……無責任なことしか言えなくて、
ごめんよ……けど、頼むよローさん!
じいさんを!助げでやっでぐれよ!!」



シャチが泣きながら言うと、ローの空気が変わった。



「大丈夫だ。お前ら、離れてろ。
俺を信じて、見てろ」



私たちはローから手を離した。







          WROOMW








ローがそう言うとドーム状の膜が部屋一体を包み込んだ。

















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