育まない愛








「ユィどうしたんさソレー!!!!(汗)」

「あ、ラビ お帰りなさい」

「ただいまー!って違うさ!腕!何で包帯巻いてるんさ!!(汗)」

「実はお使い行ったら折れちゃったの」

「まさかAKUMAに…!?(汗)」

「そうなんだけど ユウが助けてくれて 倒れた時に折れたみたいなの」

「へ?ユウ?(汗)」

「うん」

「おい 馬鹿ウサギ さっさとコムイの所行くぞ」

「あ ユウ お帰りなさい」

「ああ」



ユィがナチュラルにユウという事の驚きと 神田もそれに慣れた様子 そしてお使いに神田が入った事にラビは追いつけずにいた。



「ふ、二人なんかあったさ?(汗)」

「さっきユィから聞いただろ(怒)」

「そう言う意味じゃないさ!(汗)」

「どうしたの?ラビ」

「二人ついに出来たんさ!?(汗)」

「は?(汗)」

「え?//」



ラビの言葉に神田とユィは固まった。



「なに言ってんだ 馬鹿ウザギ」

「そうだよ ラビ!ユウに失礼でしょ//」

「え、ち、違うんさ!?(汗)」

「チッ…何焦ってやがる…」

「なんさ いつもと雰囲気違ったから言ったのに」

「馬鹿言ってねーでさっさと行くぞ」

「またな ユィ」

「うん」



ラビと神田はコムイの元に向かい、ユィは外の薬草に水を撒きに向かった。

二人の距離は確かに進んだのだが、
ユィは自分の想いを伝えたら迷惑になると思い、何も言えずにそのままの時間が流れていた。


















ーーーーーー…*°






「よく育ちますよーに…」



薬草に水をあげていると 霧が深くなってきた。高台だと気温や天気が変わりやすく 霧も出やすかった。ユィは戻ろうと振り返るが 真っ白で出入り口が分からない。



「どうしよう…(汗)「トントンッ」きゃぁあ!!(焦)」ガサガサ!!!

Σ「おい!(汗)」



いきなり肩を叩かれ ユィは思わず驚いて膝が崩れた。霧が深くて姿が見えず 誰がいるのかが分からなくて不安になっていた。



「だ、誰ですか…?(汗)」

「俺だ」

「ゆ、ユウ…」



神田はユィの前に顔を出して 顔を確認させた。



「ご、ごめん 霧が深くてすぐ分からなくて…」

「いや 無理ねえ。人の気配がしてお前だと思ったんだ。戻るぞ」

「う、うん…(手…握ってる…//)」



神田はユィの手をとって 一緒に教団内に戻った。



「倒れた時 腕大丈夫か?」

「うん 尻もちついただけだから…」

「そうか」

「ありがとう」

「いや、」

「任務帰りなのにもう鍛錬してたの?」

「ああ」

「休養も大切だよ」

「これから休む」

「そっか ゆっくり休んでね」

「お前もな」

「うん」

「部屋戻る」

「うん」



神田はユィに背を向けて 自室の方に歩き出した。



ユィも安心したかの様に 自分の職場に向かって歩き出す。








のんびりと動いていた時間が今動き出す。








愛は育まれる事なく







静かに身体中を流れる。