強制











「ん……は…ぅ…」



呼吸と共に漏れる声


悶えるような表情に


耐えるようにシーツを握り締める手










それだけ聞くと愛し合っているような
甘い行為が行われていると思われるだろう。

然し、目の前に映るものは
苦痛に耐え、苦しむ雨寧の姿。








          愛しているぞ 薙雲












「ッ…………!!」ガバッ




また勢いよく身体を起こした。
かなり悪趣味な夢に
身体中ぶわっと嫌な汗をかく。

そして最後の薙雲という名は
何度も聞かされたことのある名前だ。






安曇薙雲

呪術師の家系でさらに御三家に並ぶ術式を持つ
最初で最後の最強の呪術師と謳われた女性

然し、最後は呆気なく両面宿儺に殺された記録がある。

いつも恐らく殺される瞬間の夢だったはず
それなのに今日は生々しい夢で気持ちが悪かった。
生憎人の行為を見て興奮する趣向はない。
それも合意のない強姦であれば尚更。



「はぁ……最悪………」

「何が最悪だって?」

「……は?」



ゆらりと寝室から出てくると
先日に続けて今会うには気分が悪い五条悟が
リビングのソファで優雅に座っていた。



「……不法侵入ですよ」

「常習犯が何言ってるの(笑)」

「私は仕事です 貴方は違うでしょう。」

「いやー 君の事だから僕の言う事無視して
今日ぶっちされそうだから態々迎えに来たってのに。
なんなら男連れ込んでたら寝室まで行って
俺の女に何してんのって言ってやろうとしたけど
今日に限って連れ込んでないんだから残念だよ。」

「ホント悪趣味ですね。
それに今日は行きませんよ。
仕事が入ったので、」

「それなら伊地知に確認済みだよ。」

「……」

「それより呪力が乱れてたようだけど
"また"嫌な夢でも見たの?」

「貴方には関係ないでしょう」

「そんな冷たい事言わないでよ。
俺がいつ本気じゃないって言ったの?」



そう言うと五条はふわりと覆い被さるように
後ろから抱き着いてきた。



「好きな子の心配くらいするでしょ?」

「私にとっては迷惑です 離れて下さい。」

「酷いなあ」



雨寧はグイッと五条の身体を押して離した。



「私は高専の教員ではありませんから
一年の教育はどうぞお一人でやってて下さい。
シャワーから戻ってきても居たら一生無視します。」

「身体洗ってあげようか?」

「布ごと目潰ししますよ。」



雨寧は睨み付けてシャワー室に向かった。











「全く 素直じゃないんだから」



五条は帰る様子は全く無く
再びソファに深く腰掛けた。




「……夢ねぇ…」


雨寧の夢で魘される事は昔から知ってた。
恐らく同じ術式を持つ安曇薙雲の記憶だろう。
両面宿儺を追い詰めた事のある女性呪術師
然し最後は大きな戦いの跡もなく
呆気なく宿儺に殺されたと書物には書かれていた。























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