「ここからはA組委員長
飯田天哉が進行をつとめさせて頂きます!
スムーズにまとめられるよう頑張ります!!
まず候補を挙げていこう!
希望のある者は挙手を!」
飯田くんが教壇前へ立つ。
その隣には百ちゃんまで待機していて、
完全に進行役をやる気満々だった。
「「「ハイハイハイハイハイハイ!!!!」」」
次の瞬間、教室中の手が一斉に上がる。
(うわっ!?)
あまりの勢いに思わず肩が跳ねた。
「くっ…!さすが名門雄英のヒーロー科…
この積極性…!!
必ず意見をまとめて見せる…!!」
飯田くんが汗を流しながら
気迫で押し返そうとしている。
百ちゃんも意気込んでチョークを手に取る。
でも。
完全に人数が多すぎた。
「メイド喫茶にしようぜ!」
上鳴くんが真っ先に叫ぶ。
「ぬるいわ上鳴!!オッパ──…!」
峰田くんが言い切る前に、
ダークシャドウがぬるりと口を塞いだ。
「おもち屋さん」
お茶子ちゃんが平和な案を出したと思えば、
「腕相撲大会!!」
切島くんが無駄に暑苦しい案を叫ぶ。
「ビックリハウス!」
葉隠ちゃんが飛び跳ね、
「ダンスー!!」
三奈ちゃんが元気よく手を挙げる。
「ふれあいどうぶつえん…」
口田くんが小さく呟き、
「暗黒学徒の宴」
常闇くんがまたよく分からないワードを出し、
「僕のキラメキショウ☆」
青山くんは通常運転だった。
「…コントとか?」
そして意外にも響香ちゃんがお笑いを提案をする。
(コント!?)
ちょっと見てみたい。
でもA組のコント、
絶対まともに終わらない気もする。
教室中がどんどん騒がしくなっていく。
皆、本気で楽しそうだった。
事件続きだったからこそ、こういう
“学校っぽい時間”が余計に嬉しいのかもしれない。
そんな中。
前の席から勢いよく手が伸びた。
「爆発殺戮大会!」
(物騒!!)
「そこは花火大会にしよ?」
思わずツッコむと、
「違ェわ!!」
爆豪くんが即座に怒鳴り返してくる。
教室は収集がつかなくなっていった。
案が増える。
声量も増える。
飯田くんの制止も追いつかない。
百ちゃんのメモは途中から
追記だらけになっていた。
そして結局。
何一つ決まらないまま。
チャイムが鳴った。
「あっ」
皆が一斉に固まる。
そのタイミングで、寝袋から
相澤先生がもぞりと出てきた。
ゆっくり立ち上がる。
そして教卓前へ。
眠そうな目のまま教室を見回したあと、
「実に非合理的な会だったな」
低い声が落ちた。
教室が静まる。
「お前ら、明日 朝までに決めておけ…
───決まらなかった場合、公開座学にする」
(公開座学!?)
ぞわっと背筋が冷える。
しかも相澤先生、絶対本当にやる。
冗談じゃない目をしていた。
「「「…………」」」
さっきまで騒いでいたA組が、一瞬で静まり返る。
文化祭よりも、“公開座学回避”への危機感が
教室中へ広がっていた。
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