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綺羅は三奈ちゃんと透ちゃん、
そして爆豪くん、切島くん、上鳴くん、
峰田くん、瀬呂くん達と大人数で移動しながら、
文化祭の出店エリアへやって来た。

どこも賑やかだ。

呼び込みの声。

笑い声。

食べ物の匂い。

歩いているだけで文化祭って感じがして楽しい。

「ロシアンたこ焼きだって!楽しそー!」

透ちゃんが真っ先に食いついた。

「あ!あたしクレープも食べたい!」

今度は三奈ちゃんが別方向を指差す。

そっちを見ると、可愛くデコレーションされた
クレープ屋が見えた。

「たこ焼きも食べたいしクレープも食べたい!」

三奈ちゃんは完全に食欲に振り回されていた。

その様子が可愛くて、思わず笑ってしまう。

「私もクレープ食べたいから買ってくるよ!
何味が良い?」

そう聞くと、

「チョコバナナ!」

間髪入れず返ってきた。

即答すぎる。

「了解!」

手を振ってクレープ屋へ向かう。

列に並びながら周囲を見ると、
他クラスの生徒達も店番をしたり
遊び回ったりしていて、
普段の雄英とは全然雰囲気が違った。

やっぱり文化祭って特別だ。

そうして順番が回ってきて、
三奈ちゃんのチョコバナナと、
自分用のいちご生クリームを注文する。

焼き上がりを待っていると、

「あ?」

隣から聞き慣れた声がした。

見ると、爆豪くんが立っていた。

「あれ?爆豪くんもクレープ食べるの?
横入りダメだよ?」

冗談混じりに言う。

すると、

「こんな甘いもん食うか。
隣で焼きそば待ってんだよ」

爆豪くんはこっちを見もせず答えた。

隣を見る。

確かに焼きそば屋があった。

しかも。

『激辛焼きそば』

と真っ赤な文字で書かれている。

(あれ頼んだのかな…)

辛いの好きそうではある。

でも。

(なんでわざわざ隣来たんだろ…)

爆豪くんって、一人でも
全然待てるタイプだと思う。

わざわざこっち来るの少し珍しい気がした。

「もしかしてあの激辛頼んだの?」

気になったけれど、
あまり深く考えず無難な質問をする。

「そうだよ」

返事は短い。

「激辛にも種類あるよね?何味?」

「まだ食ってねえから知らねえ」

「それで頼んだの!?」

思わず笑ってしまう。

そんなコントみたいなやり取りをしていると、

「激辛焼きそば一つお待ちの方ー!」

先に爆豪くんの焼きそばが出来上がった。

爆豪くんは特に何も言わず、
そのまま焼きそばを受け取って歩いて行く。

(なんだったんだ…?)

やっぱりちょっと不思議だ。

そう思っていると、

「チョコバナナと
いちご生クリームお待ちの方ー!」

今度はこっちが呼ばれた。

クレープを受け取り、皆んなの所へ戻る。

すると。

「かっっっら!!」

三奈ちゃんが涙目で叫んでいた。

「え!三奈ちゃんどうしたの!?」

慌てて駆け寄る。

どうやら皆んなでロシアンたこ焼きを分けた結果、
山葵とハバネロ入りの大当たりを引いたらしい。

「うわあ……」

見てるだけで辛そう。

というか、自分なら絶対泣く。

「チョコバナナ買ってきたから食べな?」

慌ててクレープを差し出す。

三奈ちゃんは半泣きで受け取った。

「舌が……舌が千切れそう……
いや、いっそ千切ってくれ……」

「そこまで!?」

透ちゃんと一緒に思わず笑ってしまう。

でも本当に辛そうだ。

「よしよし」

「かわいそ〜」

透ちゃんと二人で頭を撫でると、
三奈ちゃんはぐったりしながら
クレープへ齧り付いた。

少し離れた場所では、爆豪くんが椅子に座って
真っ赤な焼きそばを普通に食べている。

見るからに危険な色だ。

気になって近付く。

「爆豪くんそれ何系の辛さだった?」

聞くと、

「デスソース」

と普通に返ってきた。

「Death……!?」

名前が怖い。

(爆豪くんならロシアンたこ焼きも
平気そうな顔して食べそう……)

真っ赤な焼きそばを平然と食べている姿を
見ながら、改めて辛さへの耐性がおかしいと思った





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