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その後、黒目達と星が
一緒に行動するのは予想出来た。

黒目と透明は最初から星を探していたし、
あいつもあいつで
その二人といる時が一番気楽そうだ。

切島、上鳴、瀬呂、その他モブ共も合流して、
そのまま出店を回る流れになった。

俺も腹が減っていたから後ろについて行く。

ロシアンたこ焼きだの何だの、
モブ共は楽しそうに騒いでいた。

ガキか。

そう思いながら視線を逸らした先に、
激辛焼きそばの看板が見えた。

そっちの方がまだマシだ。

迷わず列へ向かう。

その途中で気付いた。

隣のクレープ屋。

星が並んでいた。

どうやら黒目に頼まれたらしい。

別に用事はねえ。

焼きそばの列なら反対側でも待てる。

なのに気付けば足がそっちへ向いていた。

自分でも意味が分からねえ。

「あれ?爆豪くんもクレープ食べるの?
横入りダメだよ?」

星が笑う。

相変わらずだ。

「こんな甘いもん食うか。
隣で焼きそば待ってんだよ」

そう返すと、

「あ、そっか」

と納得したように頷く。

そしてすぐ次の質問だ。

「もしかしてあの激辛頼んだの?」

「そうだよ」

「激辛にも種類あるよね?何味?」

「まだ食ってねえから知らねえ」

「それで頼んだの!?」

けらけら笑う。

何がそんなに面白い。

そう思うのに、不思議と
その場から離れる気になれなかった。

結局、焼きそばが出来るまで
そのまま隣に立っていた。



お化け屋敷もくだらねえと思っていた。

だが何故か俺もついて行く流れになった。

グーとパーで分かれた結果、

俺、星、切島、瀬呂。

前には黒目達がいる。

先の方から悲鳴が聞こえてきて、
瀬呂が笑っていた。

本当にうるせえ連中だ。

そんな事を考えながら進んでいると、
ゾンビが飛び出してきた。

「わ!!」

星が驚いて後ろへ下がる。

ぶつかってくるのは予想出来た。

そのまま受け止める。

そして後ろを見れば墓石。

このままなら当たる。

だから腕を引いた。

「おい、後ろ危ねえぞ」

言ってから気付く。

何で俺がこんな事してんだ。

「あ、ありがとう…!」

礼を言われる。

別に感謝されるような事じゃねえ。

ただ反射で動いただけだ。

それなのに。

何故かその顔が頭に残った。



その後も色々回った。

食いもん食って。

遊んで。

騒いで。

文化祭らしい事を一通りやった。

切島に誘われたアスレチックもその一つだ。

正直余裕だった。

個性無しでもあの程度なら問題ねえ。

ゴールして景品を受け取る。

歓声が聞こえる。

その時だった。

視線の先。

黒目と透明の間で星が笑っていた。

「おー!」

なんて声を上げながら。

楽しそうに。

それを見た瞬間、

妙に満足している自分がいた。

気持ち悪ぃ。

意味が分からねえ。

俺がクリアしたんだ。

満足するならそれで十分なはずだろうが。



気付けば夕方になっていた。

文化祭も終わり。

寮へ戻る。

風呂に入って。

着替えて。

共有スペースへ行くと、打ち上げが始まった。

飯田が仕切って。

モブ共が騒いで。

いつも通りの光景だった。

その中で星はお茶子達と話していた。

ステージの話。

演出の話。

皆んな楽しそうだ。

俺も適当にジュースを飲みながら聞き流していた。

しばらくして気付く。

星が静かだ。

さっきまで笑っていたのに。

よく見ると目を擦っている。

コップを持ったままぼんやりしている。

疲れてんだろ。

文化祭の間ずっと個性を使い続けていた。

当然だ。

そう思った次の瞬間だった。

コップが傾く。

零れる。

そう思うより先に手が出ていた。

ぱっと手首を掴む。

「おい。寝るなら部屋で寝ろや」

顔を上げた星が目を丸くする。

「あ…爆豪くんありがとう…!」

慌ててコップを持ち直した。

その様子を見ていた黒目達が一瞬だけ黙る。

瀬呂も。

上鳴も。

透明も。

何か言いたそうな顔をした。

「……あ?」

睨む。

すると全員一斉に目を逸らした。

チッ。

何だってんだ。

そう思いながらジュースを飲む。

だが。

眠そうに目を擦る星を見ていると、

やっぱり部屋へ追い返した方が
良かったんじゃねえかと思った。

本当に。

放っておけねえ。

感情を引っ張られる。

行動を引っ張られる。

昔の俺なら有り得なかった。

それが何より気に食わなかった。







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