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ハチマキを取られた綺羅達は、
そのまま金髪の男子の騎馬を追い掛ける。

逃げる騎馬。
追う騎馬。

観客席からもどよめきが起きていた。

「死ねえ!!」

爆豪くんの怒号。

次の瞬間、掌から爆発が放たれる。

ドンッ!!

爆風が一直線に金髪の男子へ向かう。

だが。

ひらりと避けられる。

そして――

次の瞬間。

ドンッ!!

同じ爆発が、カウンターのように返ってきた。

「ハハッ…へえ…凄い…いい個性だね」

金髪の男子が笑う。

わざと見せつけるように、
手のひらで爆破を起こす。

その光景に、思わず目を見開く。

(今の…)

「爆豪!おめぇまでダブりがいんのかよ!!」

切島くんが焦って叫ぶ。

障害物競走で、自分とそっくりの
硬化個性を持つ生徒がいた。

その記憶がよぎったのだろう。

だが違う。

爆豪くんの顔が歪む。

「こいつ…コピーしやがったッ…」

「正解。まあ、バカでもわかるよね!」

金髪の男子が笑う。

個性は――コピー。

触れた相手の個性を真似できる能力。

(厄介だ…)

一つなのか。

複数なのか。

それすら分からない。

そう思った瞬間。

足元の感触が変わる。

ぐにゃり。

地面が沈む。

「うわっ!」

足に踏ん張りが効かない。

見ると、後ろの騎馬の誰かが
手を地面に触れている。

土が柔らかく変化していた。

(足場を崩す個性…!)

騎馬戦では致命的だ。

バランスが崩れる。

その間にも金髪の男子は笑っていた。

「じゃあ、あとはキープするだけだから。
あ、怒らないでね?煽ったのは君だろ?
ホラ…宣誓で何て言ったっけ…恥ずかしいやつ…
えー…まぁいいや、おつかれ!」

そう言って、また煽る。

そしてその騎馬は逃げようとする。

「やべえ!追い掛けるぞ!」

切島くんが叫ぶ。

(足場が…!)

このままじゃ追えない。

すぐにスターライトを発動する。

「手しっかり握って!騎馬浮かすから!」

光を圧縮。

三人の体を支えるように広げる。

騎馬が――

ふわりと浮く。

柔らかく沈む地面から脱出。

そのまま勢いをつける。

次の瞬間。

爆豪くんが飛び出した。

「待てぇえ!!待てって!!」

切島くんが焦って叫ぶ。

金髪の男子が振り返る。

「しつこいなぁ。その粘着質は
ヒーロー以前に人として…」

その言葉の途中。

「勝手すなぁあ!爆豪ーー!!!」

切島くんの声。

そして。

次の瞬間。

爆豪くんが――

目の前に飛び込んできた。

「円場!!ガード!!」

金髪の男子が叫ぶ。

「っしゃあ!!」

空気が歪む。

透明な壁。

空気の防御。

そこへ――

ドンッ!!

爆豪くんが激突する。

衝撃。

「痛ってえな!」

爆豪くんが歯を食いしばる。

次の瞬間。

爆破。

透明な壁が揺れる。

さらに拳。

バキッ!!

空気の壁が割れる。

そして。

背を向けていた金髪の男子のハチマキを――

一瞬で奪い取る。

そのまま爆風で後ろへ飛ばされる。

だが。

「任せろ!」

瀬呂くんのテープ。

爆豪くんの腰に絡み、引き戻す。

そのまま騎馬へ回収。

「跳ぶ時は言えってば!!」

切島くんが怒る。

だが。

爆豪くんは叫ぶ。

「まだだ!!」

「はぁ!?」

切島くんと瀬呂くんの声が重なる。

爆豪くんの目が燃えていた。

「完膚なきまでの1位なんだよ取るのは!!
さっきの俺単騎じゃ踏ん張りが効かねぇ!行け!!
俺らのポイントも取り返して、1000万へ行く!!」

怒鳴りながら切島くんの頭をグーでポカポカ殴る。

(硬化してるからって…)

ちょっと雑だ。

でも。

その言葉。

完膚なきまでの1位。

その強いこだわり。

胸が熱くなる。

思わず声を出す。

「よし!爆豪くん!好きに飛んでいいよ!」

「星宮!?」

切島くんが驚く。

「足場なら私が用意する!」

その言葉に。

爆豪くんが――

ニヤリと笑った。

次の瞬間。

彼の掌が、再び爆ぜた。








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