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「《キラキラしすぎて眩しいぜ!!
戦場を駆けるその光!!
ヒーロー科!星宮綺羅!!》」

プレゼント・マイクの声が
スタジアムに響いた瞬間、観客席がどっと沸いた。

大きな歓声が波のように広がる。

(わ、すごい)

思わず胸の奥が弾む。

背筋を伸ばしてステージに上がる。
観客席の視線が一斉に
こちらに向いているのが分かる。

こういう舞台は嫌いじゃない。

むしろ――

(見てもらえるって、やっぱり嬉しい)

ステージの中央まで歩くと、
向かい側に青山くんが立っていた。

腰には個性の出力を調整するためのベルト。

きらりと光る装飾は、相変わらず青山くんらしい。

そして青山くんも同じように、
プレゼント・マイクの実況で紹介される。

「腰にベルトがあっても変身しねーぞ!
ヒーロー科!青山優雅!!」

観客席がまたざわめいた。

私は軽く息を吸う。

視線は青山くん。

足元に、そっと光を集める。

床に落ちた星屑のような粒子が、
静かに集まり始めた。

――その瞬間。

「《スタート!!》」

プレゼント・マイクの声が響いた。

次の瞬間。

私が立っていた場所が、キラリと光った。

そして――消える。

遅れて、青山くんが反応する。

「ネビルレーザー!!」

ヘソからレーザービームが放たれる。

しかし。

もう遅い。

私はすでにそこにいない。

足元に集めた光が弾ける。

その衝撃を蹴るようにして身体が前へ飛ぶ。

飛んだ先にも、光を集める。

空中に生まれた小さな光の足場。

そこに足を乗せ、もう一度蹴る。

弾ける光。

加速。

距離が一瞬で消える。

二歩目の光を踏み抜いた瞬間には、
もう青山くんの目の前だった。

「ごめんね!」

声と同時に脚を振り抜く。

私の足は青山くんのへそより上、
胸元へ伸びていた。

そのまま――

回し蹴り。

光の加速が乗った一撃が、
青山くんの身体を弾き飛ばす。

青山くんはそのままステージの外へ吹き飛んだ。

「《………は?》」

実況席。

プレゼント・マイクが、思わず言葉を失った。

サングラスを少しずらして瞬きをする。

隣に座っている相澤先生も、
いつも重そうな瞼がわずかに見開かれていた。

そして。

絞り出した声が、次の瞬間一気に爆発する。

「《しゅ…瞬殺ー!!
まさかに光の速さで
青山を場外に吹き飛ばしたー!!》」

一拍遅れて叫びがスタジアムに響く。

さっきまで静まり返っていた観客席も、
一瞬で歓声に包まれた。

私は慌ててステージの端へ駆け寄る。

「青山くん大丈夫!?」

吹き飛ばした青山くんのところへ駆け寄る。

青山くんは地面に蹲っていた。

「ノン…!」

レーザービームを出した反動。

それに加えて、さっきの蹴り。

さらに――

大勢の観客の前で瞬殺された悔しさ。

色々な感情と痛みが混ざり合っているのか、
青山くんの身体はぷるぷると震えていた。

そこへ、小型ロボが二台やってくる。

担架を持った救護ロボットだ。

青山くんはそのまま担架に乗せられ、
運ばれていった。

ステージの上に残ったのは私だけ。

「《勝者!!星宮綺羅ァ!!》」

実況が響く。

何はともあれ。

私は――

一瞬で、二回戦進出を決めた。








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