「今日はこの町で宿を取るか。オイお前等。宿を探してこい。」
「おぉ〜い三蔵サマ?自分だけここで休んでます、ってかー?こンの生臭坊主!!!テメェも探せ探せェ!」
「まぁまぁ悟浄?ここの所まともに休めておりませんでしたし、三蔵もお疲れなのでしょう。連続野宿4日目、というのだけは避けたいのでここは余力のある我々で探しましょう。悟空となまえもそれでいいですか?」
「八戒〜!俺、腹へったーーーーー!宿探してさっさとメシ食おうぜー!」
「そうさね、アタイもお腹が減ってしかたない!から宿屋探しついでにご飯処も探すとするかい!」
相も変わらず騒がしい三蔵法師御一行。
西へ向かう旅の途中、訪れたこの町でどうやら数日を過ごす事になったようだ。
「やど…やど…や、ど!あった!!
おじちゃんコンニチハ!今日ここの宿、5人で泊まれる部屋あったりしないかい?」
「おやお嬢ちゃん、こんにちは。
5人別々の部屋、はご用意できないんだが2部屋なら空いてるよ。」
「うーんしょうがないね!それでお願いするよおじちゃん!お支払いはこのかぁどでお願い!」
「2部屋5名様のご予約だね、了解。
それにしてもお客さん達運がいいねぇ。今日と明日、この町で年に一度の大きな祭りが開催されるんだ。是非楽しんでいってくれよ。」
「お祭り、ねぇ。ナイスタイミング。なまえちゃんも、宿確保ありがとな。」
ヒュー、と悟浄が口笛を鳴らす。
「どうってこたぁないさ悟浄!どうやら今日はツイている、らっきー、てやつだね!」
どうやらなまえにより宿は無事終了。野宿は免れた様子だ。
彼女の隣にいる赤髪の男性、悟浄とニカッと笑い合う。
彼ら後ろには黒髪のにこやかに笑う青年、八戒と先ほどから腹の音が鳴りやまない元気な少年、悟空。
4人はこうして宿を見つけ金髪美青年(黙っていれば)である三蔵法師の元へと戻っていった。
「「さーーーんーーぞーーー!ただいま!」」
元気に悟空となまえが叫ぶ。
「おい帰ったぞークソ坊主」
「オセェ。タバコ吸い終わっちまったじゃねェか。」
「くっそいいご身分だぜ三蔵法師サマよォ…。」
「ホラ、そうやってすぐイライラしない!
それより三蔵?良いニュースがあります。どうやら今日この町ではお祭りが開催される様なんです。」
「………祭りだァ…?興味ねぇな。」
そんな三蔵のそっけない返信を無視するかのように
「だぁぁっぁぁ!!俺、祭り行きてぇ!だって、祭りってあれだろ!!わたあめとか、わたがしとか、焼きそばとか、ラムネとかとかとか!うめぇ食いモンたっくさんあるんだろ!?あーもー余計腹減ってきた!ちょっと、俺!行ってくる!!」
「あぁぁ悟空、待ってくださいあなた一人では…!三蔵、僕は悟空と一緒に祭りへ行きますので、3人でご飯食べててください!」
大声で悟空が、待ちきれないといわんばかりに叫び飛び出ていってしまった後、それを追いかけるように八戒も消えた。
「おーおー。ありゃ完全に保護者だねぇ。っと、俺も美人のお姉チャン探し…じゃなかった、テキトーにそこら辺の屋台で飯食ってくるわ。
年寄りは先宿で休んでなー、ってな。なまえちゃんも疲れてんだろ?宿で休んでな。」
「じゃあアタイと三蔵で先宿に戻ってるね!」
「はいよー。まっ、今日の夜までには戻ってくっから心配すんなって。」
と言いながらひらひらと手を振り、悟浄も祭りの喧騒の中へと消えていった。
そうしてなまえと三蔵の2人だけが先に宿へと戻ってきた訳なのだが。
「オイなまえ。メシ用意しろ。」
「……。あっ、ああ、ごめん、なんだい?」
「…腹が減った。メシだ。」
「う、うん!夕飯だね!ちょっと待ってておくれ今準備するから!」
バタバタと夕飯の準備を始めるなまえだがどこか上の空。
それに三蔵が気づかない訳もなく
「気になるのか。」
目線は新聞に落としたまま、表情はいつも通り眉間にしわを寄せたまま。マルボロの煙を吐き出すように呟いた後、綺麗な紫の瞳がなまえに向けられた。
「・・なにが、」
「何がとは言わせねぇ。祭りだ。」
しらばっくれるのは許さないぞ、とでも言うように遮られるように、声が重なる。
この目で見られると嘘をつけなくなるんだよねぇ…となまえは思いつつ
「…うん、ちょっと…。」と一言。
別にやましいことを隠している訳でもないのだが三蔵の射る様なこの目線を受けると何故かドキッとしてしまう。
フー、と大きくタバコの煙を吐いた後
「…タバコが切れた。おい、買いに行くぞ。」
「えっ、三蔵予備のタバコはまだあるって昨日…」
「ごちゃごちゃ煩ェ。タバコがなくなった。どうせ食料もねぇんだろ、ついでに買いに行く。そしてお前はついて来い。更についでに気が向けば、祭りにでも連れて行ってやる。」
文句あんのか?と最後に一言付け加え、後ろを振り返らずに部屋から出ていく三蔵の後を、慌てて追いかけた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
外に出ると町は賑わっており、出店が沢山並んでいた。
ランタンのようなものが至る所に吊るされ、日も落ちてきたというのに町は明るいままだ。
「ねぇ三蔵、煩いところとか、人混みとか嫌いだろ…?どうして連れてきてくれたんだい?疲れも溜まってるだろうに…」
「隣でそんな辛気臭ェ顔されてちゃこっちが滅入るんだよ。
訳も分からない所で気ィなんて使わんでいい。
それより俺は腹が減った。」
そういいながら近くの屋台で焼きそばを買ってはなまえに渡してくれる。
何も言わずとも、しっかり2つ頼み、一つをなまえへと。
「あ、ありがとね三蔵!…って!!またマヨネーズそんなにかけてる!!」
「………。」
「あーーもーーーー!!塩分の取りすぎには注意だってば!!ちょっと聞いてるのかい!!悟浄が前言ってたよ、甘党のまよらーの味覚破綻美人、って!」
注意をすれば、この味覚破綻金髪美人は
眉間のシワを増やしながら小指を片耳に突っ込んで聞こえないフリをする。
そんな会話を繰り広げつつも歩くスピードは普段よりゆっくりとしていて
歩幅は彼女のものに合わせてある。
そんな三蔵の気遣いにふと気づき、思わずなまえの口元がゆるんだ。
「……何笑ってやがる。」
「ン?んんーン、…んふふ!なんででしょう!なんでだろうねぇ!えへへ!」
「…チッ。」
「あっ、ねぇ三蔵あれ食べたくないかい!かき氷!」
ニコニコとしながら法衣の袖を左手で引っ張り、右手で屋台を指す。
「話をそらしやがったな。
まァいい。…どれだ。」
「あっ、これ!れもん!このれもん味!食べてみたいな!!三蔵は?」
「俺はいらん。」
おまちどう!その言葉と一緒に渡されたレモン味のかき氷。
ほおばるなまえは時頼「ん゛ーー頭にくるーキンキンするーーー」と言いつつも食べ続ける。
三蔵はしばらくそれを無表情で眺めていたが
「暑いな。寄越せ。」
と言う言葉が発せられるより前になまえの腕を掴みパクッっと彼女が持っているスプーンを自身の口へと運んだ。
「うぇっあ?!さ、三蔵…!」
赤くなるなまえとは反対に、平然としたままその腕を離す。そして小さく
「悪くない」
と、呟いた。
「ちょ、ちょっと三蔵サマ!?食べたいなら、その、言ってくれれば!というか買えば!」
「喚くな。オイ、花火が始まるみてぇだぞ。」
「ちょっと!」
言い返そうとしたなまえの言葉を遮ったのは
彼の言葉に続いて聞こえてきた、轟くような花火の音だった。
気づくと空はすっかり暗くなり
花火はまるで黒いキャンバスに飛沫をまき散らしていっては消える絵の具の様で
なまえにとっては初めての体験。
「はなび、ってのは…本当に、お花みたいに、打ちあがるんだねぇ…。」
キラキラと、暗い空に咲いては消えるその花を二人はじっと見つめる。こうしているといつもの慌ただしく危険な旅が嘘のように思えて、だが同時に咲いては散る大輪の花はどこか儚く思えて。そんか考えをしているであろうなまえに、
「馬鹿だなお前。」
「な、なんだい急に!何も言ってないだろう?!」
「何も言っていなくとも馬鹿は馬鹿だろう。
だから馬鹿が小難しいことゴチャゴチャと考えてんじゃねぇよ。お前は単細胞馬鹿らしく思ったまま、感じたままただひたすらに走ってろ。馬鹿が。」
「…三蔵……。
ば、バカバカ言うなバカ!」
そしてそっと、なまえは下を向き、
「ありがとね、三蔵」と呟いた。クライマックスと言わんばかりに花火のが一斉に上がり果たして声が彼に届いたのかは分からないが、紫の瞳がふと揺れた。
「あぁ。精々コケねぇようにするんだな。馬鹿。」
その言葉と同時になまえの頭にポンッ
手が乗せられる。と、思えば次の瞬間グシャグシャっと髪をかき乱されたなまえは
「わわっ、や、やめておくれよ!ちょっと!」
「腹は満たされた。眠い。帰るぞ。」
「このお坊さんはほんっと自由なんだから…!まっ、三蔵らしくてイイけどね!」
一行が宿へと戻ってきたとき部屋割りでも揉めたのはまた別のお話。
「おぉ〜い三蔵サマ?自分だけここで休んでます、ってかー?こンの生臭坊主!!!テメェも探せ探せェ!」
「まぁまぁ悟浄?ここの所まともに休めておりませんでしたし、三蔵もお疲れなのでしょう。連続野宿4日目、というのだけは避けたいのでここは余力のある我々で探しましょう。悟空となまえもそれでいいですか?」
「八戒〜!俺、腹へったーーーーー!宿探してさっさとメシ食おうぜー!」
「そうさね、アタイもお腹が減ってしかたない!から宿屋探しついでにご飯処も探すとするかい!」
相も変わらず騒がしい三蔵法師御一行。
西へ向かう旅の途中、訪れたこの町でどうやら数日を過ごす事になったようだ。
「やど…やど…や、ど!あった!!
おじちゃんコンニチハ!今日ここの宿、5人で泊まれる部屋あったりしないかい?」
「おやお嬢ちゃん、こんにちは。
5人別々の部屋、はご用意できないんだが2部屋なら空いてるよ。」
「うーんしょうがないね!それでお願いするよおじちゃん!お支払いはこのかぁどでお願い!」
「2部屋5名様のご予約だね、了解。
それにしてもお客さん達運がいいねぇ。今日と明日、この町で年に一度の大きな祭りが開催されるんだ。是非楽しんでいってくれよ。」
「お祭り、ねぇ。ナイスタイミング。なまえちゃんも、宿確保ありがとな。」
ヒュー、と悟浄が口笛を鳴らす。
「どうってこたぁないさ悟浄!どうやら今日はツイている、らっきー、てやつだね!」
どうやらなまえにより宿は無事終了。野宿は免れた様子だ。
彼女の隣にいる赤髪の男性、悟浄とニカッと笑い合う。
彼ら後ろには黒髪のにこやかに笑う青年、八戒と先ほどから腹の音が鳴りやまない元気な少年、悟空。
4人はこうして宿を見つけ金髪美青年(黙っていれば)である三蔵法師の元へと戻っていった。
「「さーーーんーーぞーーー!ただいま!」」
元気に悟空となまえが叫ぶ。
「おい帰ったぞークソ坊主」
「オセェ。タバコ吸い終わっちまったじゃねェか。」
「くっそいいご身分だぜ三蔵法師サマよォ…。」
「ホラ、そうやってすぐイライラしない!
それより三蔵?良いニュースがあります。どうやら今日この町ではお祭りが開催される様なんです。」
「………祭りだァ…?興味ねぇな。」
そんな三蔵のそっけない返信を無視するかのように
「だぁぁっぁぁ!!俺、祭り行きてぇ!だって、祭りってあれだろ!!わたあめとか、わたがしとか、焼きそばとか、ラムネとかとかとか!うめぇ食いモンたっくさんあるんだろ!?あーもー余計腹減ってきた!ちょっと、俺!行ってくる!!」
「あぁぁ悟空、待ってくださいあなた一人では…!三蔵、僕は悟空と一緒に祭りへ行きますので、3人でご飯食べててください!」
大声で悟空が、待ちきれないといわんばかりに叫び飛び出ていってしまった後、それを追いかけるように八戒も消えた。
「おーおー。ありゃ完全に保護者だねぇ。っと、俺も美人のお姉チャン探し…じゃなかった、テキトーにそこら辺の屋台で飯食ってくるわ。
年寄りは先宿で休んでなー、ってな。なまえちゃんも疲れてんだろ?宿で休んでな。」
「じゃあアタイと三蔵で先宿に戻ってるね!」
「はいよー。まっ、今日の夜までには戻ってくっから心配すんなって。」
と言いながらひらひらと手を振り、悟浄も祭りの喧騒の中へと消えていった。
そうしてなまえと三蔵の2人だけが先に宿へと戻ってきた訳なのだが。
「オイなまえ。メシ用意しろ。」
「……。あっ、ああ、ごめん、なんだい?」
「…腹が減った。メシだ。」
「う、うん!夕飯だね!ちょっと待ってておくれ今準備するから!」
バタバタと夕飯の準備を始めるなまえだがどこか上の空。
それに三蔵が気づかない訳もなく
「気になるのか。」
目線は新聞に落としたまま、表情はいつも通り眉間にしわを寄せたまま。マルボロの煙を吐き出すように呟いた後、綺麗な紫の瞳がなまえに向けられた。
「・・なにが、」
「何がとは言わせねぇ。祭りだ。」
しらばっくれるのは許さないぞ、とでも言うように遮られるように、声が重なる。
この目で見られると嘘をつけなくなるんだよねぇ…となまえは思いつつ
「…うん、ちょっと…。」と一言。
別にやましいことを隠している訳でもないのだが三蔵の射る様なこの目線を受けると何故かドキッとしてしまう。
フー、と大きくタバコの煙を吐いた後
「…タバコが切れた。おい、買いに行くぞ。」
「えっ、三蔵予備のタバコはまだあるって昨日…」
「ごちゃごちゃ煩ェ。タバコがなくなった。どうせ食料もねぇんだろ、ついでに買いに行く。そしてお前はついて来い。更についでに気が向けば、祭りにでも連れて行ってやる。」
文句あんのか?と最後に一言付け加え、後ろを振り返らずに部屋から出ていく三蔵の後を、慌てて追いかけた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
外に出ると町は賑わっており、出店が沢山並んでいた。
ランタンのようなものが至る所に吊るされ、日も落ちてきたというのに町は明るいままだ。
「ねぇ三蔵、煩いところとか、人混みとか嫌いだろ…?どうして連れてきてくれたんだい?疲れも溜まってるだろうに…」
「隣でそんな辛気臭ェ顔されてちゃこっちが滅入るんだよ。
訳も分からない所で気ィなんて使わんでいい。
それより俺は腹が減った。」
そういいながら近くの屋台で焼きそばを買ってはなまえに渡してくれる。
何も言わずとも、しっかり2つ頼み、一つをなまえへと。
「あ、ありがとね三蔵!…って!!またマヨネーズそんなにかけてる!!」
「………。」
「あーーもーーーー!!塩分の取りすぎには注意だってば!!ちょっと聞いてるのかい!!悟浄が前言ってたよ、甘党のまよらーの味覚破綻美人、って!」
注意をすれば、この味覚破綻金髪美人は
眉間のシワを増やしながら小指を片耳に突っ込んで聞こえないフリをする。
そんな会話を繰り広げつつも歩くスピードは普段よりゆっくりとしていて
歩幅は彼女のものに合わせてある。
そんな三蔵の気遣いにふと気づき、思わずなまえの口元がゆるんだ。
「……何笑ってやがる。」
「ン?んんーン、…んふふ!なんででしょう!なんでだろうねぇ!えへへ!」
「…チッ。」
「あっ、ねぇ三蔵あれ食べたくないかい!かき氷!」
ニコニコとしながら法衣の袖を左手で引っ張り、右手で屋台を指す。
「話をそらしやがったな。
まァいい。…どれだ。」
「あっ、これ!れもん!このれもん味!食べてみたいな!!三蔵は?」
「俺はいらん。」
おまちどう!その言葉と一緒に渡されたレモン味のかき氷。
ほおばるなまえは時頼「ん゛ーー頭にくるーキンキンするーーー」と言いつつも食べ続ける。
三蔵はしばらくそれを無表情で眺めていたが
「暑いな。寄越せ。」
と言う言葉が発せられるより前になまえの腕を掴みパクッっと彼女が持っているスプーンを自身の口へと運んだ。
「うぇっあ?!さ、三蔵…!」
赤くなるなまえとは反対に、平然としたままその腕を離す。そして小さく
「悪くない」
と、呟いた。
「ちょ、ちょっと三蔵サマ!?食べたいなら、その、言ってくれれば!というか買えば!」
「喚くな。オイ、花火が始まるみてぇだぞ。」
「ちょっと!」
言い返そうとしたなまえの言葉を遮ったのは
彼の言葉に続いて聞こえてきた、轟くような花火の音だった。
気づくと空はすっかり暗くなり
花火はまるで黒いキャンバスに飛沫をまき散らしていっては消える絵の具の様で
なまえにとっては初めての体験。
「はなび、ってのは…本当に、お花みたいに、打ちあがるんだねぇ…。」
キラキラと、暗い空に咲いては消えるその花を二人はじっと見つめる。こうしているといつもの慌ただしく危険な旅が嘘のように思えて、だが同時に咲いては散る大輪の花はどこか儚く思えて。そんか考えをしているであろうなまえに、
「馬鹿だなお前。」
「な、なんだい急に!何も言ってないだろう?!」
「何も言っていなくとも馬鹿は馬鹿だろう。
だから馬鹿が小難しいことゴチャゴチャと考えてんじゃねぇよ。お前は単細胞馬鹿らしく思ったまま、感じたままただひたすらに走ってろ。馬鹿が。」
「…三蔵……。
ば、バカバカ言うなバカ!」
そしてそっと、なまえは下を向き、
「ありがとね、三蔵」と呟いた。クライマックスと言わんばかりに花火のが一斉に上がり果たして声が彼に届いたのかは分からないが、紫の瞳がふと揺れた。
「あぁ。精々コケねぇようにするんだな。馬鹿。」
その言葉と同時になまえの頭にポンッ
手が乗せられる。と、思えば次の瞬間グシャグシャっと髪をかき乱されたなまえは
「わわっ、や、やめておくれよ!ちょっと!」
「腹は満たされた。眠い。帰るぞ。」
「このお坊さんはほんっと自由なんだから…!まっ、三蔵らしくてイイけどね!」
一行が宿へと戻ってきたとき部屋割りでも揉めたのはまた別のお話。