愚像崇拝
#うちの夢主でお相手以外のこのキャラと絡んだらどうなるのか見たい夢主とキャラ
赫百足-デイダラ の場合
「お前も旦那のビックリ人形喜劇のコレクションか?うん?」
蒼い眼球を更に丸くして俯きがちに部屋の隅に置かれた私を覗く男の子は私よりもうんと年下で、故に師の友人とは考え辛く私にとっては不可思議な存在だった。ただ、師と揃いの羽織を着ているという点だけが師との繋がり明確にした。
"客人の前では人形になりきらねばならない"という過保護な師の言付けを守り、私はただただ時が過ぎるのを待つ。指の先から髪の毛の先までこの世にある全ての流動や働きが止まったかのようにじっと息を止めるのだ。俯いた目先も一点を見つめたまま、私は感情の無い人形になりきる。
「へぇ、すげぇや。まるで本物の女の子だ…って旦那はこういう趣味なのか?うん?」
独り言の多い子だ、私は"本物よ!" "師はもっと大人な女性がタイプなの"と言いたがる本当はお喋りな自分を喉元でグッと抑える。
その時、男の子がふと興味本位で私の頬に触れようと"人間"の掌を私の頬に当てようとした。まだ数p足らず届いてはいなかったがその数pでも私は"人間"の温もりを一瞬だけ感じ取る。
陥没し欠落した感情が押し戻ったかのようで胸が熱くなった。
「ククッ、俺の作品に触るのか?」
そんな中で冗談めいた顔つきで幼げな顔立ちを歪めながら喉を鳴らす師が帰ってくる。残念だったわね、と私は髪の毛の向こう側でにんまりと唇を歪めた。
"デイダラ"と呼ばれた彼は驚いてその手は宙で弧を描き、態とらしく彼の頭の後ろに置かれた。
「そいつは俺の唯一のボツ作品だ。置物にするには惜しいから弟子にしてやったんだが、訳あり品の割には物覚えが良い。」
デイダラは再びまじまじと私の顔を覗こうと顔を傾ける。危ない、私は咄嗟に唇を戻す。デイダラは私の球体関節も胴と手足の繋ぎ目も全てを"人形"だと自分に言い聞かせて確認するように眼で追う。
「オイラやっぱ旦那の芸術とは合わねーな、うん。」
そうして玩具に飽きた子供のように(子供なのだが)私から目を離し、"芸術は爆発だ"等と呟きながら何処かへ行ってしまった。私の顔は万人受けするほど端正ではないが、そこまで言う程だろうか。
「ハッ、ガキには分かんねぇよ。なぁ?愚作」
と私の頬を冷たく硬い指先でなぞるように撫でながら師は不満げに呟くのだ。先程歪めて乾燥で割れた唇に言葉を載せようにも私の喉からは何も出ず、ただ斜めに首を傾げる事しかできなかった。