番外編 本当の気持ち


※エンディング後
一応付き合ってはいるけど素直になれない夢主の努力が少し実った話


赤司と仲直りをしてからと言うものの、赤司のデレが凄すぎた。週一で京都からここまで会いに来るし、1日一回は電話をしてくる。つまりは束縛が強い。あまのじゃくな私は赤司がデレればデレる程に赤司への対応が冷たくなっていくのがわかった。以前なら赤司がここまでデレることもなかったためいつもいつも対応に困っていた。そんなこともあり、私は私で素直になろうとはしているがなかなか言葉を伝えることができずにいた。アイツは私と恋人同士になっているつもりなのかスキンシップが多いが私は赤司が好きだと自覚してからずっと、好きだとは伝えられずなので自分でそう言ってから関係を築きたいからこそ認めていない。そのことすら口に出せていない。アイツはそれでもいいのだろうか、いいのだとしたらどんだけドMなのだろうか、赤司のメンタルの強さどんだけ。
のんびりとした休日、私の家で二人並んで今流行りのラブストーリー映画を見ていた。そのカップルだって互いに思いを打ち上げている。女の嬉しそうな顔に純粋にうらやましいと思った。


「赤司」

「なんだ?」

「あの、さ」

「…何?」

「?!」
ほら今だって、意を決した私が何か伝えようとする時に優しく微笑み頭を撫で始めた。

「なんでもないわよ!」
またそう可愛くない言葉を赤司に投げてしまう。違う、そんなこと言おうとした訳じゃないのに。なのに赤司は私の顔を見て嬉しそうに微笑み再び視線をテレビの方へ向けた。
赤司その強靭なメンタルはなんなんだ!ドMなのか本当に


「赤司、」

「ん?」

「…ドMなの?こんな私の、何処が好きなの?」

「はぁ?」
赤司にしたら珍しく間抜けな声がでた。

「翼の何処が好き、か」

「…」
おいおい、何手を顎に当てて考えてるののよ。それに何その数秒の間は?!

「ありすぎて、何を言おうか悩むな」

「馬鹿じゃないの?」
また冷たいこと言ってしまった。あああ。変わりたいのに。そうやって変われない自分が本当に嫌いになりそうだ。素直に嬉しいなんて言えればいいのに。


「でも今は、俺のために素直に言葉にしようとしている翼が可愛くて堪らないな」

「な?!!」

「図星だったか?」

「嵌めたのね!」

「俺は翼のことが好きだからね。」

「…わたし、だって、、」

「?」

「好きだって、言いたいのにっ」

「あ、」

「あ、」
一気に顔が赤くなるのがわかった。不本意とはいえ思いを伝えられたことに気恥ずかしさが込み上げる。

「…俺は素直じゃなくて、でも優しくて頑張り屋さんな翼がいいんだ。直したいのであればのんびりとで構わない。どんな翼でも受け入れる。翼は?」

「…」

「…」

「…わた、しも。…征十郎、がいい。」

「!」

私の顔は今ゆでダコになっているだろう。やっと言えた。恥ずかしくって堪らない気持ちでいっぱいだが、赤司の私の言葉で珍しく赤くなり更に幸せそうに笑った。私はこっそり愛というとのを噛み締めた。



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