幼馴染みについて
帰りのバスにて


「あー胸糞悪い」

「どうしたんだよ」

「だって置いていくって酷いと思いませんか眼鏡」

「てめぇキャプテンに向かってその態度は何だ!」

「そもそもお前が黄瀬の写真取りに行くって行ったからだろ」

「黄瀬ってだけでプレミア付くんだ。しかも涙目とか価値が高いのだよ奇跡だぞ」

「黄瀬の奇跡?!」

「伊月マジでウザイ」

「キャプテンの言う通りですよ。黄瀬君の奇跡とか、なんかイラッとします」

「黒子、いつにもまして毒舌だな」

「当分は楽して暮らせそうだなはすはす」

「なんか目が、」

「(ガクブル)」

「っていうかお前、そんな金儲けして一体何に使ってんだ?」

「んー、学校の交通費や家賃や水道代や電気代、ガス代、携帯代…あとは、」

「ちょっと!それって一人生活してるってこと?!」

「…紺野、これいるか?」

「伊月、そんなドヤ顔でイルカのキャンディ渡さないでくださいよ。同情するなら金をくれ」

「その何故か勝ち誇った顔をやめない限り無理だ」

「ていうか、意外だななんか」

「家自体はリオデジャネイロに別荘4個作るくらいに裕福よ」

「なんでお前の一家はリオデジャネイロにこだわってるわけ?!」

「いや、ダディがリオデジャネイロって響きが好きだからって」

「なんかすぅっごいムカつくんですけど?!」

「キャプテン、そんな大声出したら眼鏡が上がりますよ」

「眼鏡馬鹿にすんなよ!?」

「じゃあなんで仕送りして貰ってないんだよお前」

「火神よ、それは社会勉強の一貫として」

「彼女はただ御両親とか幼馴染みと喧嘩しただけですよ」

「はぁあ?!」

「ちょ、ホクロ君ばらさないでよ、貢げそうだったのに」

「どんだけ図々しいんだよ!!」

「そんな大層なことだったのかよ?」

「幼馴染みって言っても親を甘いマスクで言いくるめて勝手に転校とかの手続きとかしそうになったのよ!」

「どんだけ権力持ってんだよそいつ」

「私を手に入れようとして悪魔と契約するような奴よ。私って可愛いじゃない?きっと白馬の王子様とか医者とか玉の輿乗れそうな人現れると思うのよね」

「結局金かよ!」

「当たり前じゃない」

「でも、幼馴染みさんは玉の輿だと思われるのですが」

「黒子知ってんのか?」

「はい、奇跡の世代のキャプテンだった人です」

「ホクロ君本当にやめて、生理的に受け付けないのアレ。病気持ちよ」

「それって紺野ちゃんがいるのに他の女の子に手を出してるってこと?!それは許せないわね」

「違いますよ、彼は中二病という完治困難な病人なんです」

「「「「「「「「…」」」」」」」」

「紺野といい、黒子、奇跡の世代ってのは、」

「火神君、あまり今は聞かない方が身のためだと思います。」

「……お、おう」



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