ねぇ、かつえもん。お腹が空いたよぉ

今日は体調が頗る悪かった。眠たいしお腹もすかない。学校から帰りすぐに嫌な予感がしたので体温計を脇に入れるとすぐにピピッと音が鳴った。恐る恐るそこにかかれた数値をみると、はい、アウトー。38度だとさ。こりゃだめだ。私は訳ありの独り暮らしのためこういう時は寝るのが一番。ベッドに満身創痍でなんとか倒れこみ目を閉じた。意識が遠退く感じがした頃にかっちゃんに叩き起こされた。あれ?登校は一緒だったのに下校は用事あるって一緒に帰ってくれなかったのにな。てか合鍵を使ったな、こやつめ。


「おいっ」

「ん、あ?かっちゃん?」

「…やっぱり、寝てやがったか」

「どうした、の?」

「お前、また飯食わねぇで寝てたろ」

「しんどくてねー。大丈夫。寝てたらなおるよ」

「…なら言えやブス」
かっちゃんは物騒な言動のは裏腹に優しい手つきで私の額に手を当てた。かっちゃんの手はひんやりとして私には気持ちよかった。

「きもちいいー」

「っ」

「かっちゃん?」

「…」

「ん?」

「っ死ねや!飯食えや!!」
手が気持ちよくて目を閉じていたが、かっちゃんが手を額につけたまま反応がなかったので目を開けるとかっちゃんと目がバッチリと合った。顔が赤いぞ少年。てか死ぬか食べるかなんてえらべないよ、なんてツッコミを入れる前に理不尽にももう一度飯を食えと怒鳴られた。

「ええ、ラーメンもカレーもパスタも食べられる気がしない」

「なんでそんなこってりしたやつなんだよ!?」

「家にあるやつ」

「はぁ?!!カップ麺とインスタントカレーとパスタってことかよ!お前栄養偏るだろ!!」

「それが私の主食だから…」

「干物女!!」

「ごめんごめん」
笑って誤魔化すとかっちゃんは軽く舌打ちをした。冷蔵庫と今ある食材を確め始めた。

「…粥、食べれるか?」

「うん」

「……チッ、待ってろや」
キッチンに向かうかっちゃんを追いかけようとしたらイライラしたようにかっちゃんは寝てろと私に怒鳴る。仕方なく横になりゴロゴロして数分後にかっちゃんは持ってきたのは玉子粥。女子力やばいよやばいよー。


「なにこれ、旨!」
いつでもこれなら嫁ぐことができそうだ。安心ね!

「これくらいできんだろ」

「いやいや、レベルがちゃうわ。玉子粥とか作らないからなー。いやーいい嫁になるよかっちゃん」

「これくらい常識だっての!!てか嫁になんのはお前だ!!」

「でもかっちゃんがこうしてご飯作ってくれるなら社会の家畜にでもなれるよ私」

「そんな必要ねぇよ!俺が養う!!」

「そそ、れじゃあ」

「…(やっとわかってくれたか?てか照れろよ!)」

「ヤンデレ家族がお望み?前見たの。夫は嫁がお人形みたいに可愛すぎて何もやらせたくないんだって…監禁?!かっちゃんそんな性癖?!!」

「死ねやぁ!!!」
今日一番怒鳴られた。何故に


「てかこの卵もしかして冷蔵庫にあった奴?」

「あ?そうだよなんか文句あるのかよ」

「文句はないけど、あれ確か賞味期限2週間くらい切れてた気がする……まぁ大丈夫か!」

「大丈夫じゃねぇ!!卵だぞ?!腹壊したらどうすんだ!!」

「大丈夫大丈夫、私雑草とか平気で食べてたから」

「はぁ?」

「いけるいける」

「いけねぇよ!!!やめろぉおお!!」
その後は二人で卵粥の取り合いになった。その日からというものかっちゃんはちょくちょく私の家に食材をこっそり置いていくようになる。かっちゃん、長ネギとかパプリカとかどうやって食べるのかわからないよ。
今日もまた携帯電話でかつえもんを呼び出す。毎度キレながら料理するかつえもんの背中を眺めるのが日課となり、それが続いて欲しいと心から願った。


リクエストありがとうございました!
一応かっちゃんの幼馴染の長編の続きが楽しみとのことでしたので少し未来を書きましたが、いかがでしたでしょう?
幼馴染みが少しかっちゃんを受け入れられるようになったけどまだ鈍いからかっちゃんはどぎまぎしている所って勝手に想像して書きました汗。

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