拾い食いダメ絶対

「銀さん、横腹にこんな痕あったんですね」
ある日、だらしなく服を着替えている銀時に対して新八は質問をした。銀時の横腹にあったのは生々しい切り傷の後だった。

「まぁな、これは戦争の時のやつだ。」

「…そうですか、すみません嫌な思いさせてしまって」

「構わねぇよ、てかこれを見ると思い出すんだよ。昔の事を、地獄を…」

「…(銀さんがこんな思い詰めた表情に、)」

「聞きたいか?お前のためになるし」

「え、辛くないのであれば」

「ふ、俺もトラウマの克服をしなくてはならないからな。話させてくれ」

「…はい」

「あれは攘夷戦争の頃だった………」




「銀時が?毒にやられただと?」
なまえの元に高杉に担がれた銀時が来た。銀時は敵襲に合い横腹に深い傷をおったのだという。


「敵の刀に塗られていたらしい。斬られたまま苦しんで意識が朦朧としている」

「まぁ間抜けな。いかんな、出血多量か。よかったな、毒に犯されながらも血がどばどば出てるからまだ体内に侵食がまだ進んでいないのだろうな」

「はぁ?!おま、」
なまえは傷口に口を付けて毒を吸い上げようとするとそれを高杉が制した。

「何?まだいたの総督、邪魔だぞ」

「いやいや」

「時間が悔しいから黙れや。」

「ぐっ」
一刻も争う状況に高杉は嫉妬している場合ではないと制しを止めた。それからなまえは医者として傷口から口付けで毒をある程度吸出しそこを止血した。そして解毒薬を銀時の口に入れようとするも薬を飲み込めず吐き出してしまった。


「いかんな、解毒薬が飲めないか。仕方ない」

「お、おい待て何しようとしてんだよ?」

「何って口移しで薬飲ますのよ。見てわかんないの?」

「それは駄目だ!…コイツ最近歯研いてねぇぞ!」

「なん、だと?…私無理だわそんな不衛生な所に口突っ込むの。生け贄はお前でいいや」

「なんで俺なんだよ!!生け贄言うなや!」

「しょうがないじゃないの!じゃあどうしろっていうのよ!!」

「ぐっ…」
言い争いをしていると二人のもとへ銀時が倒れたと聞き付けた桂が入ってきた。

「銀時!無事か?!」

「あ、小太郎。聞いてくれ」
なまえはここまでの経緯を桂に話した。


「そうか、ならば歯磨きしてから口移しはどうだ?」

「毒だろ?一刻争うんだろ?!」

「なるほど、それならいけるな」

「銀時もおなごの口移しなら目を覚ますだろう。」

「コイツ女じゃねぇぞ。ヅラ」

「ヅラじゃない、桂だ!」

「女じゃねぇってどういうことだ晋助死ねや」
ぴーっと銀時につけたモニターが鳴った。


「ヤバい血圧と脈も低下してきている。早く解毒しないとっ」

「誰がやる?」

「じゃんけんしようか」

「なんでだよ?!」

「最初はグーで」

「そんな事今いいだろ早くしろ!!」

「「「最初はグー!じゃーんけーんポン!!」」」



「俺か、」

「大丈夫髪の毛長いから女に見えるよこた子ちゃん」

「ありがとうな」

「く、致し方無い。…はぁい銀時君ー、朝のキッスよー!」
きめぇよ。と他の二人のもとへツッコミをスルーし桂は解毒薬を口に含み銀時に口付けようとした瞬間だった。

「うろほろろろろろろ!!」

「えぇ?!何故銀時がゲロってんだよ!!」

「しまった、俺さっきドリアン食べたのだった!」

「何故にドリアン?!」

「何か無性に腹が減ってな、戦場にドリアン農場があったから頂いたのだ」

「何で戦場にあんだよ!」

「あれ、銀時のバイタルが安定してきた…ちょっと待て毒盛られたのってコイツだけだったよな、そもそもそれがおかしくないか?」

「たしかに、それに銀時が戦場でこれだけの多きな傷を受けることもない。」

「…そういえばコイツ、昨日なんか酒となんかやけに臭いもん食べてた…ん?」

「となればただの二日酔いと食中毒じゃね?」

「「「…、ややこしい!!!」」」

「ぶふぁ!!!!」
銀時はそのまま三人に腹を蹴られゲロを再び吐いた。そしてバイタルは完全に落ち着いた。傷が増えたが。

「てか、待って、俺もなんか腹が痛くなってきた、」

「さ、ファーストキスも免れたし酒飲んで寝よう」

「っ!そうかよ」

「あら童貞君には刺激が強かったかな?」

「てめぇ!本当に女か?!」

「あの、無視して、二人ともいちゃつかないで、あ、ヤバい腹がいたい、助けて!」

「「うるせぇ!自業自得だ!!」」
その後銀時と同じような症状が出てきた桂を高杉となまえが蹴り上げた悲鳴が聞こえた。






「ということだ。その時に思ったね、例え腹減ってても拾い食いは駄目、絶対に」

「いやそれ自業自得だから!!」
新八の盛大なツッコミがその場に響いた。


リクエストありがとうございました。
戦争時代ということでギャグメインになってしまいたがいかがだったでしょうか?
また宜しくお願い致します

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