白夜叉
「やぁ、銀時よ」
「お前、」
「久々だな」
「テメェ何処に行ってやがった?!」
「世界各地を旅しててね。初心に帰ろうか、そう思って江戸に降りたのさ」
「相変わらずだな!放浪癖!」
「失礼だな!私はただ愛の探求者なだけだ」
「浮気の言い訳みたいなこと言ってるんじゃねぇよ!」
「へへへ」
「笑うなや!てかそこ否定して?お願い!!」
「はい、お土産。マヨネーズ」
「待って?潤君、俺マヨネーズ好きって何で」
「好きだったろ?」
「いいか?俺はマヨネーズなんか好きじゃねぇぞ?!」
「嘘だろ?戦争のとき白い液体を啜ってた記憶があるんだけど」
「それ練乳!!」
「……、うん。十年前だもんね。食癖も変わるよね。妊娠したら大好きなものとか食べれなくなったり苦手なものを食べれるようになったりするもんな…オイ嘘だろ」
「そこで何故顔を青ざめるんだろ!妊娠してないぞ?!俺は男だ!!」
「大丈夫、両性類っているんだぞ宇宙では。所謂フタナリ」
「やめてくれない?!風評被害になるんだけど!!」
「腐女子からすればいいオカズさ。飯でも炊こうか?」
「人の話を聞かねぇのは相変わらずだな?!!」
「聞いているさ。それを踏まえて自分なりの解釈と偏見で物を言っている」
「その解釈と偏見とやらが大きな間違いになってるからね?!」
「その解釈と偏見でもう一つのお土産であるファミレスパフェ食べ放題チケットもまた間違いということか。仕方ない。」
「待って待って!!それだけは間違えてないよ!?だから破り捨てようとしないでぇえ!!!」
ある日突然俺の目の前に現れたのは男の格好をした正真正銘の女、潤。攘夷戦争での戦友であるそいつは一応武家の生まれだったが男子に恵まれなかったので男として育てられたと昔語っていた。腕っぷしはおんなとは思えないほどに強く俺達と共にばっさばっさと敵を倒していった。しかしそいつには些か悪い癖があった。それは放浪癖だ。幼い頃から戦争中でもお構いなしにふらふらと何処かに急にいなくなったかと思ったら突然へらへらと笑い俺達の目の前に現れお土産を渡してくるのが定番だった。そんな奴は攘夷戦争が終わってすぐに俺達に何も告げずに消えた。かれこれ十年ぶりの再会なのだが変わらない様子に安堵すべきなのか焦るべきなのかわからなかった。ただ嫌な予感がした。もともと目の前にいる男(女)は戦争が終わりまだ男装を続けているのか、このタイミングつまり将軍暗殺未遂事件直後で俺達に何も将軍の影武者の依頼が来た直後で現れたのか、この土産に何か意図があるのか、など聞きたいことはたくさんあった。
「というか、お前本当に何処で何してたの?」
「競馬やらパチンコでボロ儲けして、その金で宇宙中を旅していた」
「ぇえええ?!!」
「儲けてるぞー」
「…金貸してくんない?」
「やだ。」
「「…」」
潤は頭がいい。競馬やら賭け事も運ではなく確率やら論理的に考えて勝つタイプだった。
「とりあえずマヨネーズ好きな人にでもそれは渡しておいてくれ。私はそれはいらないから。」
ほら、十年ぶりに再会した処なのに普通マヨネーズ好きな人間いることが前提で話している。
「…お前、何企んでる」
「何も?」
潤は笑った。
「……はぁ、相変わらずだなお前」
「何が?」
「んでもねぇよ」
その顔するときはろくなこと考えてねぇのは知ってんだよ
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