総督
「やぁ、晋助。」

「お前、生きてやがったか」
この糞忙しい時に客が来たらしい、そいつの名前は潤という。昔から放浪癖があり突然いなくなったかと思えばころっと帰ってくる不思議な奴だった。攘夷戦争が終わってからというもの風の噂では宇宙に出ていたと聞いていた。十年前から変わらない容姿とそのタイミングつまりは将軍暗殺のため作戦を練っているタイミングに不気味さを感じた。

「江戸に帰ってきたんだ。はい、お土産」
なにも変わらない笑顔で生々しい物を渡してきた。

「んだよこれは」

「宇宙で見つけたバイブとかオナホとか…あとは」

「お前は俺のこと何だと思ってんだよ」

「ネットで過激派エロリストになったと聞いてな。宇宙で見つけたエロ玩具だ。それを使い更に立派なエロリストになってくれ」

「テロリストな」

「天人のそれは大きいみたいでな。お前と比べればやや大きめだ。しかし大丈夫!お前のそれは小さくてもエロリストならば使いこなせるはずだ!!グッショブ!!」

「テメェは殺されてぇのか?」

「滅相もない。何怒っているんだ?私は褒めたんだぞ?例え小さくてもテクニックならきっとお前なら天人に勝てるとな!私は信じている!」

「わかった。もう喋るな」

「なんと戦友に対し冷たい対応!だが私はお前の胸の内は読めているぞ?…何々?ほう、それはそれはお気の毒」

「俺の何を読んだんだよお前は」

「え?最近セックスの体力がなくなったと」

「テメェ!試してみるか?!」

「晋助よ、攘夷戦争時代の私の異名は?」

「殺戮の参謀王子だろ」

「そう、世間では私は男として通っている」

「それがどうした」

「故にあまり近寄ると薄い本ができるぞ」
潤はそう言って近くの襖を開けたら侵入者と会話を聞いていた来島やら武市やらの幹部達がなだれこんできた。

「し、晋助様!?え、えっとこれは」

「お前ら」

「時に晋助、宇宙海賊と手を組んで、それでも飽き足らずに一ツ橋一派に荷担しているようだな」

「んでそんなこと知ってるだよ」

「ハハハ!!私とて宇宙にいたんだよ?情報くらい知ってるさ」

「そうかよ」

「ハハハ!!」
こいつが何かを企んでるの事は明白だった。この笑い方はそういう時によくしていた。きっと俺が今からする事が分かっているのだろう。しかし止めないし荷担もしない、性別もしかりだがニュートラルなポジションにいる潤の目的はわからなかった。
戦争やら武家やらの束縛から解放されたはずなのに未だに男でいる事が手がかりなのだろう。こいつは昔から女である故に侍になれない自分が嫌いだったと語っていたことをふと思い出す。女なのだからあたりめぇだと突っぱねた記憶がある。同時俺と銀時はこいつに惚れていた故に男でおられると困るので一喝した。まぁ想いを告げることなくこいつは消えたから淡い恋心も錆び付いたがな。話は脱線したが

「おい、」

「ん?」

「先に言っとく、馬鹿な事考えてんじゃねぇぞ」
ただ言えることはろくでもねぇ事だということは確かだった。
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