殺戮の参謀姫
私は元々良いところの生まれだ。しかし不妊の両親にやっとのことでできた子どもが女だった事から女のくせにと、よく嫌みを言われて育った。それ故に徐々に女である事に否定的になり武家の長子であるために剣術も学び男として育った。しかし年齢と共に体が女になっていく。胸も初潮もそして体つきも徐々にそうなった。その時には両親も私に嫁げと言ってくるようになったがそれでも男として生きたかった。アイツらに会ったからだ。松下村塾には昔から入り浸っておりそのメンバー達とはよく遊んだし、攘夷戦争も共に戦った。女であるという事実が私にとってのアイツらを遠ざけていた。かつて酒場で晋助と銀時に男として生きる事を考えている事を相談した時だって女である事を肯定してきた。私にとっての女とは侍になれない上に互いの背中を守れずただ守られる弱い者。私はその生い立ちもあり守られる対象だというショックとアイツらとの大きな壁を感じた。しかし弱味を見せては守られるので必死に隠した。その結果が放浪癖だった。つまりはアイツらが喧嘩したり、辛いことがあった時など(カモフラージュとして何でもないときにも放浪したが)に逃げた結果がその癖。私がいなくなったことによりあんだけ喧嘩していたアイツらが私を一致団結し探し、私が馬鹿な土産を渡す事で喧嘩していた事をわすれて笑うことができた。
しかし戦争が終わり、先生を助ける事ができなかった。故にアイツらがバラバラの道を歩む事になった。私は自暴自棄になり宇宙で道場破りなどをして私の、私自身の強さを求めてさまよった。私の体はもう完全に女になってしまった。侍とは名乗れなくなった。その時に先生がまだ生きていることを知り、私は先生がいる天道院奈落入り情報を得た。そして先生は自らの死ために江戸を破壊しようと目論んでいる事も知った。私は先生を利用してアイツらをまた一つにできないかと考え、それを実行に移すことにした。将軍暗殺未遂を裏で操りで高杉と銀時を相討ちにさせ、春雨と辰馬に瀕死の高杉を乗せた船の情報を流し壊滅に追い込み、その情報を流し辰馬と桂と銀時で助けに向かい、先生を表舞台に引きずり出すことと先生に殺される事で皆一致団結。これらが私の作戦だ。長年の付き合いのアイツらは十年経っても変わらないようで私の予想通り動いてくれた。次は私の番だ。私は侍になれなかった。ならば私はアイツらが共に戦った姿を憎き鴉として見て侍として切腹をしようとその場を立ち去ろうとしたその矢先、私は四人から飛び蹴りを食らった。



「やっぱりお前か」

「あらー」

「で?言い訳なら聞くぞ?許さねぇと思うけど」

「え?」

「お前は昔から俺達の気を引くために翻弄してきた。わかるさ」

「今回の事も裏で操ってたんだろ?そして自分が死んで俺らを一つにしようとしたんだろ?馬鹿か?」

「…なんで」

「お前が俺らの事わかるなら、俺達もお前がやりそうな事くらい検討がつく。そもそもそんな事しなくたって俺達は元々バラバラなんだよ」

「だがそれらを暗闇から救い集めるのはお前だ」

「っ」

「そんな事しなくたって俺達はこうなってた。お前もな」

「でも、私は女だ。お前達のようにはなれない。」

「何当たり前の事いってやがる。お前が女である事に対してどう思ってるか知らねぇ」

「んなこと関係あるめぇ。俺達の大事な仲間だ。欠けることは許さねぇ」

「…っ」

「だから嘘をつくな、自分偽るなこれ以上」

「いい女ということは俺達が保証する。」

「こんな女願い下げだがな」

「はは!高杉お前が一番お熱だったのに何を言うちゅうか!」

「何か言ったか?」

「銀時、おまんも潤ラブだったからって斬りかかるな」

「「うるせぇ!!!」」

「は?」


1/5
prev  next
ALICE+