俺の名前は爆豪勝己だ。俺は言わずもながら最強でヒーローになると約束された男だ。そしてそのお荷物となるのは今隣をびくつきながら歩いている双子の妹のなまえ。こいつの個性自体は俺と変わらねぇのに何処を間違えたのか俺とは真逆の性格になってしまった。故に普通の高校で普通の生活をしている糞野郎。そんな奴にも使い道があることに気づいた。それはとある日のこと両親が不在であった事を忘れてなまえを呼び出し家の鍵を取りに行かせた(パシリ)時のことだ。その時偶然にも半分野郎に出会し憂鬱になる所だったが半分野郎の奴がなまえを視界に入れた瞬間に足が止まったのだ。俺が妹を見て驚いたのかと思いガンを付けようとしたがそれが叶わず。何故ならアイツ俺の妹見て顔赤らめてやがったからだ。その後珍しく半分野郎から俺にからんできたり戦闘訓練時に狙われたりした。
もしやと思い、それからもう一度なまえを呼び出し、半分野郎の視界に入るようにしてみたがやはり俺の予想は的中しているようだった。半分野郎はなまえに一目惚れをしている、そしていつも一緒いる俺を彼氏と思っている。
そうと決まれば俺がやることは一つだった。それから毎日なまえを俺と一緒にいる所を見せつけ一緒に帰ってやった。アイツも嫌がっていたが怒鳴ったら従ういい駒なため気にしていない。一応デクには口止めしておいたし、これであの気に食わねぇ奴にいっぱい食わせてやれるぜ!とそう思っていた。


「轟君って言うんだね、私は…ば、なまえって言うんだ」

「綺麗な名前だな」

「え」
俺が戦闘訓練後で先公から長々と珍しくフィードバックを受けていつもよりなまえを待たせたのが不味かった。校門前でいつも待たせていたが俺がそこに向かうと半分野郎となまえがほのぼのと会話をしているじゃねぇか!何口説いてやがる!爆豪、そういうつもりだったのだろうなまえはそれを止めた。昔から双子である関係性を隠そうとそうやってきた俺達。当たり前だ、俺達は違いすぎる。アイツは弱い故に誰かに依存しなくてはならない。そんな妹が誉められている所ほどイライラすることはなかった。


「爆豪待ちか?」

「え、まぁ…知ってるんですか?」

「あぁ、アイツとはクラス一緒だし、アンタ達の事見たことあったからな」

「そう、なんですね」

「にしても、大変だなアイツの相手は」

「そんな事ないですよ、えっと強情で非道で外道ですけど、いい兄ですよ」

「は?兄?」

「おら!馬鹿なまえ!」

「にににに兄さんっ!?」

「…爆豪、」

「んだよ」

「お前、シスコンなのか」

「この流れでなんでそうなんだよ!!」

「いや、いつも溺愛してたから」
いつどこで俺が溺愛してるように聞こえたんだよ!弱いから守ってやらなくちゃならねぇからって一緒に帰ったりわざと鍵を忘れたりしてるわけじゃねぇんだよ!この野郎!

「お前は何を見てたんだよ!!してねぇよ!こんなブス!!」

「ひど」

「あぁ、酷いな。おい爆豪」

「あ?!」

「なまえさんがこんなブスで溺愛してねぇっていうなら俺が貰っても構わねぇよな」

「轟さん?!」

「こっのぉお!!!テメェ!!ふざけんな!!!」

「俺は真剣だが」

「そうだお前はそういう奴だった!!」

「兄さ、ん」

「義兄さん、あばよ」

「誰が兄だ!認めねぇぞ!!!」
なまえが半分野郎に手を捕まれ止めようとしたがアイツ顔赤らめてやがった。糞!自分の物が取られていく感覚を初めて味わった。次会ったら覚えておけよ!てかお前らの事認めてねぇからな!!

俺は近くを歩いていたデクを爆破した。


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