『おかえり…っちょ、』
鍵が開く音がして玄関で基子を出迎えると、強く腕を引かれて寝室のベッドに押し倒される。
そのまま荒々しく唇を重ねて、Tシャツを捲り上げて下着の上から胸を揉まれる。混乱と息苦しさから肩を押す私の両手を最も簡単に纏めてベッドに押さえ付けて、キスはどんどん深くなる。
『ん、や…っ、んんっ…』
「ん…」
こんな風にされるのは初めてじゃない。というか、たまにある。難しい立場で大変な仕事をしている彼女は、元の気の強さも相まってストレスを感じる事が多いのだろう。
イライラしてどうしようもない時、それをぶつけるように私を掻き抱く。
嫌な訳じゃない。ムシャクシャして危ない事をするくらいならそれを私に向けてくれた方がいいし、彼女になら何をされてもいいと思う程に私は基子が好きだ。
だけど、普段は優しい彼女にこういう風に触れられるのには、まだ慣れない。
『っあ…ん、…』
首筋に伝う柔らかい舌。時々肩や腕を強く噛まれて、いつか本当に食べられてしまうんじゃないかとすら思う。
『ね、そこ、っあ…見えちゃう…っ』
「他の奴の前でこんなとこ見せんのかよ。」
『ちが、っやぁ…あぁっ』
基子は嫉妬深いし独占欲も強い。そしてそれを隠す事もしない。
不機嫌そうに目を細めて、カップをずらして胸の突起に舌を絡ませる。
内股を撫でる手に足を閉じようとするけど、片足を基子の足に抑えられてどうにもならない。
鍛えてる成果をこういう所でも出すの、やめてもらえないかな。
「無理だよ儚。アンタは私じゃないと満足出来ない。それとも何、男が良くなった?」
『そんなんじゃな…っ』
「残念だけどどこにも行かせないから、諦めな。」