ぼやけた意識のまま、柔らかいものに沈む感覚に目を開ける。



『ん…、あれ、』


「あ、ごめん。起こしました?」



私の前髪を梳かしてくれる壱馬くんは、優しい顔をしている。
起きて待っていようと思っていたのだけれど、どうやらソファーで眠ってしまっていたみたいだ。



『ごめんね、寝ちゃってた。おかえり。』


「ただいま。身体痛くなってないですか?」


『うん、大丈夫だよ。ありがとう。』



目を細めて笑った彼は優しい。
普段の行動から言葉選び、その存在全てが。
整った顔に引き締まった身体、歌う為に生まれてきたかのような声、誠実な心。

後ろめたい過去しかない私にとって、そんな壱馬くんは別世界の人間で、傍に居ると汚してしまいそうで怖くなる。それでも、決して私を離さないでいてくれる彼は、いつでも余す事なく私に優しさと愛を注いでくれる。



「会いたかった」


『…私も。』


「私も、何?」


『……私も、会いたかった。』



顔を綻ばせる壱馬くんが可愛くて、