キッチンでコーヒーを淹れながら2人を見ていると、残念ながら馬が合うとは思えないやりとりに頭を抱える。大半はシャーロックが原因だ。
ただ、私は警察でも探偵でもなければ犯罪の専門家でもない。シャーロックの物言いを咎めたい気持ちは山々だけど、仕事に首を突っ込む訳にはいかない。


コーヒーを置くときにシャーロックに目配せすると、私の腕を引いて腰を抱き寄せた。



『ちょっと、』


「さっきも言ったけど、私の彼女の儚。ぱっと着替えて髪を結んだだけで美しいでしょ?貴女もここに来るならこれくらいで居てもらわないと困る。」


「はあ…」


『…さっきも言った?何を?』


「貴女にも友達が居るんですねと言われたから友達じゃないと話しただけ。」


『まさか、』



嫌な予感がして目の前の女性を見ると、気まずそうに苦笑いしている。



[ 「貴女にも友達が居るのね。しかも無理させたって、仕事の手伝いもして貰ってるんですか?」


「儚は友達じゃない。恋人よ。」


「恋人!?」


「昨日無理させたっていうのも仕事じゃない。戯れてたのよ。」


「なっ…」 ]



『…シャーロック、そうやって見境なく何でも言うのはどうかしら?』


「分かってる。だけど、私達は友達ではないし、そう聞かれたら違うと答えるのが普通じゃない?」


『友達でいいじゃない別に。わざわざ話す必要ないでしょ?』



どちらも譲らない私達の口喧嘩を女性、基、和都さんが呆れたように見ていた事を、私は知らない。