合鍵を使って玄関を開ける。
真っ暗な室内。寝室に入ると、ベッドに小さな膨らみ。
傍に座って、そっと頭を撫でる。
『…ん、?』
「ごめん、起こした?」
『ビョリ…』
ゆっくりと目を開けて私を見た儚の瞳は、今日も綺麗な琥珀色。月のようなそれが大好きで、いつまででも見ていたくなる。
「儚、」
『…どうしたの?』
そっと覆い被さるように抱き締めた私の背中に細い腕が回る。
起きたばかりの身体はいつもより暖かくて、涙が出そうになる。
今日は恋人と会っていた。割と長続きしている方で、だけど、私が何を考えているか分からないと泣き付かれた。
そんな風に縋られても、私は彼女に優しくはしてあげられないし、愛する事もできない。
私の中のそういう感情は全部、儚の前でしか意味を成さないから。
『…また、何か言われた?』
髪を梳くように私の頭を優しく撫でて、腕に力が籠る。強く抱き返して目を閉じる。
何を考えているか分からない、本当に愛されているのか分からない、そんな事を言われるのはもう慣れた。
だって私はずっと儚の事が好きなままで、他の誰かを愛したりなんか出来るはずがない。だからそう言われるのは全部、自分が悪い事は分かっている。
それでも、
→