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Category:蒼国マスカレイド


*フェルゼンとトーマ


「フェルゼン様って、品がよくて優しくて素敵」
 王女の背後で控えるフェルゼンの立姿を眺めながら、宮廷貴婦人は熱い溜息をついた。
 人の印象はほぼ第一印象で決まってしまう。よくある話だ。フェルゼンは生まれ持ったその端麗な顔立ちと柔らかな表情から、品行方正な紳士という印象を抱かれることが多かった。
 トーマは呆れた表情で、貴婦人の視線を一身に受けているフェルゼンを眺めた。
「おいおい、誰が品が良くて優しいのだか」
 皮肉を言ったつもりだった。
 しかし、隣にいた騎士には、トーマが彼の人気を嫉妬したように聞こえたようだ。慰めるというよりもからかうような素振りでトーマの肩に手を置く。同僚の騎士はニヤニヤと笑っていた。
「そう僻むな、本当の事だろ。あの金髪からして、どこぞの公爵家の嫡男だろうって話じゃねぇか。生まれも育ちも俺らとは違うんだよ」
「……誰一人アイツのことを分かっちゃいねえな」
 トーマは小さく呟いた。
(――……アイツ程粗暴で品のねえ奴はいねえっつーの)


美しき偶像かな

(ブログより再録)


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