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*エドワード
*騎士叙任式
「エドワード・ド・グランドール」
厳粛たる声で名を呼ばれた青年は、執式者である司祭の前で両膝を付けて跪く。
処女が己の身だけで嫁ぐ儀式と同様、前日の夜から身を清め一晩中祭壇に祈りを捧げ迎えた朝。騎士叙任式の儀式も漸く佳境を迎えた。
「如何なる時も国王そして王国を護り汝の命を捧げ、共に在ると神に誓いますか」
「誓います」
司祭は祝別した祭壇上の剣を取りエドワードに渡す。
エドワードはその剣を鞘へと収めた。儀式に則り三回剣を引き抜き、それからもう一度鞘に収める。
司祭は厳かに青年の肩を素手で打った。
婚姻の儀の誓いと然程変わらぬ誓いの言葉。しかし、両者には決定的な違いがある。
それに気付いてか、此れからの未来と全てを捧げなければならない相手への一抹の不安を拭えない花嫁と同様の表情を、エドワードは浮かべた。
忠誠の葬列
(title:scald/拍手お礼より再録)
