転校初日






転校初日。
今時の女子高生とやらがわからなくて、とりあえずちゃんと制服を着て家を出たのだけど、登校途中の女子がみんなスカート短かったので結局着くまでに二回おった。
ちょっとでも馴染もうと思って。でも、内腿出すのも気が引けて二回で踏みとどまった。中身25歳には膝上10センチが限界です。それに、制服のスカートは短くしすぎても可愛くないと思うの。これは個人的な意見。


ほんとに周りからちゃんと女子高生に見えてるか不安で仕方ないけど、なんとか平静を装って職員室を探した。

やっとの事でたどり着いた職員室で、名前を名乗ると担任の先生が迎えてくれた。歳は結構若そうで、三十ちょい過ぎくらい?中身でいうとたぶんこの高校生たちより、先生とのが歳近い気がする。久しぶりに大人の人を見てちょっと安心した。
というのも、私の家学校まで徒歩10分っていう驚異の立地だったのだ。慌てるよね、家の前通学路だよ?おかげで朝から学生しか見てない。


「緊張してるのか?」


「そうですね、ちゃんと馴染めるか不安です」


「ははは、心配するな。うちのクラスはわりと仲良いから」


「いやぁ、ジェネレーション的な壁はなかなか…」


「ん?なんて?」


「なんでもないです」


気のいい先生のフォローに苦笑いを返す。どんなテンションで行こうかな。ウケを狙うか、可愛さを推すか、はたまた天然系か????


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「三池 芳乃です、よろしくお願いします」


色々考えたのに、結局テンパった挙句に心底つまんない挨拶で私の第一声は終わってしまった。あからさまに観察されてるような視線が痛い。失敗したぁ。


「最初は慣れないだろうから、色々助けてやってくれよ。それじゃ、三池の席はあそこな」


先生に指さされた先は、窓際から二列目の1番後ろだった。おっかなびっくり席について、気づく。…全然黒板が見えない。目の前の男子の背中がおっきくて、私の視界はほぼほぼブレザーと、オリジナリティあふれる髪型の頭で遮られているのだ。



「嘘ぉ…」


思わず小声で呟いてしまった。初っ端からこんな洗礼有りなの??なんとか黒板の見える位置はないかと身体を左右に揺らしてみる。
が、右に動くと前の背中も右へ。左に傾けると左へと、まるで私の動きを読むように視界が阻まれる。と、次の瞬間、背中がくるりとこちらをむいた。
思わずつられて顔を上げると、こちらを見てニヤリと笑う目の前の男子。


「前見えてる?」


「あなたが動くせいで見えない」


絶対わざとだ、こいつ。ムッとしてそう返すと余計に笑みを深めた彼は、先生も抜けてっからさぁ、と呟いたかと思うと。


「せんせーー、俺の後ろじゃ三池さん黒板見えないと思いまーす」


いきなり大声出すからびっくりした。周りの視線が突き刺ささる。


「あ、そうか、その席黒尾だったな忘れてた。悪いがそこ前と後ろ交代してくれるか?」


ごめんなーと笑う先生に、周りのクラスメイトも黒尾の後ろじゃキツイよなぁーと笑いが起こる。なるほど。この黒尾くんはなかなか人気者らしい。
ほらよーと、机の中身とカバンを持って席を譲ってくれた彼にお礼を言って前の席に着く。立ち上がってわかったけど、ほんとにおっきい。縦に。めっちゃ背高い。さっきはムッとしてごめん、と心の中で謝っておいた。


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