続・その愛に触れたなら04


薄目を開けたゆき乃は、目の前に煉獄の胸元があり自分の体がその腕によって抱き寄せられている事を認識し、安堵の溜息を漏らした。

いつも以上に激しさのあった行為に、最後の方は記憶が曖昧だった。

何度か抱き尽くされた後に寝てしまったゆき乃は、しっかりと浴衣を着せられて、煉獄に抱きしめられて布団に入っていたのだ。

先程までの事を思い出し、恥ずかしさのあまり無意識に煉獄に擦り寄ると、頭上から声が聞こえ顔を上げた。

煉獄と視線が絡み、顔に熱が帯びていく。



「すみません、少し眠ってしまっておりました」

「いや、構わない。それより…体は大丈夫か?」

「…はい」

「ゆき乃が愛おしい余り、自分を抑えられなかった」



煉獄は、自分の気持ちを隠すことなく真っ直ぐに話すため、その言葉に余計にゆき乃の顔は赤くなる。

だけど、それは嬉しくもあり、またゆき乃の心が煉獄で満たされる瞬間でもあった。

抑えられない気持ちはゆき乃も同じだった。

煉獄の側にいたら、触れたい触れられたい…と思ってしまう。

恥ずかしさはあるものの、それはやましい事ではないのだと煉獄が言っているのだと理解したゆき乃は、目をふせながも自分の想いを繋いだ。



「私も、同じです。杏寿郎様の側にいると、触れたいとう思いを抑えられなくなります。触れられると喜ばしく思います。だから、その……」



とても素敵な夜でした、と最後は蚊の鳴くような声で呟いたゆき乃を、煉獄はいたたまれなくなって思い切り抱き締めた。

この幸せが永遠でないことは分かっている。

だけど、永遠に続いて欲しいと願わずにはいられない程の幸福感に満たされていた。

ゆき乃と紡いでいくこの生活が、永く永く、老いて朽ちる時まで続いて欲しいと。



「可愛らしい事を言うな。また触れたくなる」

「え、あの……」

「ハハ!心配するな。今宵はこのままゆっくり眠ろう」

「はい」

「そういえば先程少し夢を見た。俺たちの間に子が出来て、皆で笑い合っている夢だった。ゆき乃に似て、とても可愛らしい女子だったぞ」

「…私は、杏寿郎様によく似ている男の子が夢に出てきました。杏寿郎様に抱かれてとても喜んでおりました」

「そうか!そうか!俺とゆき乃の子なら、どんな子であれ可愛いだろう。いつかその夢が現実になると良いな……それまでは二人で、共に暮らそう」



ゆき乃の頬に触れ、優しく口付けをした煉獄は、強く抱きしめたら折れてしまいそうなゆき乃の体を守るように抱き締め眠りについた。

二人の永遠を、まだ見ぬ家族を、心に浮かべながら。



〜完〜

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