続・その愛に触れたなら03
新婚生活が始まってから、早二ヶ月が経とうとしていたが、床を共にしたのは指折り数える程だった。
当然まだ緊張を隠せないゆき乃だったが、初夜に感じていた痛みもなくなり、恥ずかしながらも煉獄と肌を重ね合わせる事がとても嬉しかったのだ。
徐々に深くなる口付けにゆき乃が甘美な声を漏らせば、煉獄の手がゆき乃の胸元に触れ、それから静かに帯を緩めていく。
杏寿郎様、とゆき乃が囁くと、煉獄は軽々と彼女の体を抱きかかえてそっと布団の上に寝かせた。
月明かりに揺れる煉獄の明るい髪色を下から見上げるゆき乃の緊張は最高潮で、帯を解かれ前を開かれて、思わず腕で体を隠した。
「隠す必要などない」
「だって…恥ずかしいです……」
「綺麗だから見せて欲しい。とても美しい」
ゆき乃を組み敷きながらも自身の浴衣を脱いだ煉獄は、彼女が交差させている腕をゆっくりと解いた。
大きな煉獄の瞳に見つめられるだけでさらに緊張し、また体の奥がジンと熱くなって、ゆき乃はそれだけで甘い声を漏らす。
それに相まって、見上げる煉獄の所々に傷のある鍛え抜かれた体はゆき乃をさらに熱くさせた。
「き、杏寿郎様も…美しいです」
「俺が?」
「人を守る為に鍛錬なさったこの体は、優しくて強くて、とても美しいです。とっても…」
思わずゆき乃が手を伸ばして割れた腹に指を這わせると、煉獄が少し体を震わせた。
くすぐったかったかな、と引こうとしたゆき乃の手を掴んだ煉獄は、目を細め顔を紅くしながらも、強い眼差しでゆき乃を見ていた。
「煽るな…余裕がなくなるっ…」
そう吐き出したかと思えば、顔が近づき優しくも荒々しい口付けが落ちてくる。
肌と肌が密着し、直接触れられた胸元にゆき乃の甘い声が漏れる。
温かくも男らしい煉獄の手がゆき乃に触れる度に、甘く溶かされていくような感覚になるゆき乃は、その声を抑えることができなかった。
「あッ…ン、……杏寿郎様ッ…」
煉獄の舌が口内から出ていき、今度は肌を伝って膨らみへと移動していく。
先を口に含まれれば自然と体が反れ、下半身が熱く疼き出す。
いつもよりも激しい愛撫に、ゆき乃は声を上げ煉獄に身を任せるしかなかった。
「ハァ…ンン……」
「我慢せずともよい。聞かせてくれ、ゆき乃の声を」
恥ずかしい、と心の中で思いながも、自分の意思に反して漏れ出る声をゆき乃は別人のものではないかと思うくらい遠くに感じていた。
時折聞こえる煉獄の吐息と声が耳を掠めると、とても嬉しい気持ちになった。
自分だけでなく、煉獄も同じ気持ちなんだと。
「ゆき乃…ゆき乃ッ……」
何度も彼女の名を呼ぶ煉獄の声は、普段とは違ってとても甘く、ゆき乃の脳内を痺れさせた。
脚を持ち上げ、煉獄の熱いものがゆっくりとゆき乃の潤ったそこへ入っていく。
最初は絶対に無理だと思っていたゆき乃だが、今ではそれをすんなり受け入れている自分の体の変化に驚いていた。
勿論、その瞬間はそんな事も考えられない。
煉獄が奥へと進むにつれて、息が止まりそうになるほどに圧迫され、それと同時に心が満たされていった。
「幸せです…杏寿郎様っ……」
俺もだ、と囁いた煉獄が腰を動かすと、ゆき乃の甘美な声が部屋に響いた。