「私以外に下心もったら許せないんだから…」
「一生ない!ゆき乃ちゃん以外見えないから俺!」
「大嫌い…っていうのは嘘。本当は、ずっとずっと、大好きだよ」
私の手を掴む黎弥くんの手が熱い。
ゆっくりと顔を近づけて、コツンとオデコを合わせた。
それから、チュッと軽く唇や頬にキスをしていく黎弥くん。
くすぐったい感覚と、黎弥くんがキスをした場所が熱くなっていく感覚とで…胸がキュンと疼く。
執拗な黎弥くんからのキスに笑っちゃいそうになりながらも、ずっと心臓はドキドキしてる。
最後にまた唇へとキスを落とし、私をギュッと抱きしめた。
「夢みたい、なんか」
「夢じゃないよ」
「もう一回、していい?チュー」
「コハルさん達、来ちゃうよ」
「陸さんと一緒にコンビニ行った…だからまだ戻んないよ」
顔を近づけて鼻先を擦り合わせる。
至近距離での会話に胸が高鳴って、ムンと唇を突き出すと微かに触れた唇。
「じゃあいっぱいいっぱいチューして?」
二人で笑い合って、自然と目を閉じた――――。
近すぎて、ずっと伝えられなかった想い。
やっとやっと、本気の冗談じゃなくて、本気の本音が伝えられた。
ようやく黎弥くんとの心の距離がゼロになった。
「ん…黎弥くんっ、」
「ん?」
「もっと濃いーやつがいい」
「えっ?」
そう言ってチロッと舌を出して黎弥くんの唇を舐めた。
目を見開いた黎弥くんが口許を緩める。
「ゆき乃ちゃん、それ反則〜!俺止まんなくなりそう」
「止めないでいいよ」
「もうゆき乃ちゃんから離れらんないわ」
ムチュって音が聞こえるくらいのキスの隙間から黎弥くんの舌がニュルと入ってくる。
私の舌に絡まる黎弥くんは、甘い吐息と共に舌を動かして私を刺激してくる。
離れられないという言葉のとおり、私の舌を離さない黎弥くん。
私の舌を吸い上げ、唇を優しく挟んで…黎弥くんの唇と舌に、キュウと身体の奥が疼く。
「黎弥くんっ…もっとぉ」
「ゆき乃ちゃん欲しがりだなぁ〜チューするの好き?」
「黎弥くんのチューが好き」
「俺も…ゆき乃ちゃんの全部が好き」
「私も黎弥くんの全部がだーいすき!」
「ずる!もう我慢しないぞー」
こんな風に甘えるなんて思ってなかった。
でも黎弥くんが真っ直ぐだから、私も素直に言えるんだと思う。
可愛くて格好良くて、大好きな黎弥くん。
これからも、もっとずっと、私だけを見ていてね。
End