涙のあとには 番外編


触れられてる感覚に目を開けると、黎弥くんがジッと私を見ていた。

ベッドに横になり、黎弥くんの腕枕で向かい合ってる。


「眠い?」

「うん…なんかフワフワした感じで意識なかった」

「ゆき乃ちゃん、すげぇ可愛いかった」

「いつもは可愛くないのぉ?」

「んなわけねぇだろ!ゆき乃ちゃんは世界一可愛いし」


こんなくすぐったい台詞を照れながら言う黎弥くんが愛おしい。

ギュッと抱き着いて顔を上げて、


「黎弥くんも、世界一かっこいいよ!」


そう言ったら満更でもない顔をしながら笑った。

バカップルだなぁって思う。

だけど、黎弥くんとならそれが許される気がして、自分が素でいられて甘えたり甘えられたりできる関係だと思う。

自分の気持ちを素直に言えるのも、黎弥くんだから。


「ゆき乃ちゃん、今度旅行いない?」

「旅行?」

「ゆき乃ちゃんが休みの時に合わせて、俺も休みとろうかなぁって」

「え、でも…一番の稼ぎ時じゃ、」

「それはいいの!もう店長にも話つけてあるし」

「黎弥くんもしかして、最近ずっと働いてるのって…」


私の言葉に、ニコッと笑う黎弥くん。

合わない予定を合わせようとしてくれてる優しさに、ただ嬉しくなる。


「いっぱい思い出作りたいなぁ俺!聞いてくれる?俺のワガママ」

「…うんっ!」


まるで私の声を代弁したかのような黎弥くんのワガママ。

同じように思ってくれていたのなら嬉しいし、私の気持ちを考えてくれてたのなら尚更嬉しい。

黎弥くんが就活始まったりしたら、こんな風に過ごせないかもしれない。

社会人になったらきっと、また違う生活スタイルになると思う。

だから沢山過ごせるうちは近くにいたい…――――そんなワガママを叶えてくれる黎弥くんはやっぱり、


「黎弥くん、だーいすき!」


私のかけがえのない、大切なひと。



End

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