おきがえたいむ



「……わあ、すっごくかわいい!」

「おお、よく似合っておる」




わしが見立てただけあるのうと笑いながら私を見下ろすリリア先輩。

どうしても、どうしてもディアソムニアの寮服を着てみたくて軽い気持ちでリリア先輩に言ってみたら“面白そうじゃ!”と二つ返事で快諾を貰い、ディアソムニアの談話室で寮服の交換をしてみた。

リリア先輩のポム服の着こなしはなかなか寮長の眉間に美しく影を刻みそうなパンキッシュな装いだったけどとてもよく似合っていてリリア先輩もかわいいです、なんていいながらきゃいきゃいしていた時。


ふわっと音もなく光と一緒にマレウスがやってきて、きょとんとした表情をうかべる。




「ユウ?その格好は…」

「リリア先輩と交換してみたの、似合うかな」




えへへと笑いながらリリア先輩とくるくる一回転をして見せればふっと笑みを浮かべてソファーに腰かけた。




「ああ、随分似合っている。まるで元からここにいたようにな」

「そういえばユウは闇の鏡にウチかポムフィオーレか悩まれていたしのぅ」

「そんなことがあったのか?」

「あったのじゃよ、のう、ユウ?」




そういえばそんなこともあったなあと思いながら頷き、すごい自信なさそうにポムフィオーレって言われましたと返せばふむ、とだけ言って黙りこむマレウス。なにやら随分熱心に考え込んでいるなぁと思えばゆっくりと顔を上げてご機嫌そうに目を細める。



「では、転寮してもいささか問題ではない、ということか」



いや、違うと思う。何言ってんだこの妖精。と心の中で吐露すれば「ぜーんぶくちからでておる。」と愉快そうに目を細めるリリア先輩。




「転寮してしまえばいちいち外泊届を出す手間もかからない」

「そこなの?」

「毎日毎晩僕に会えるんだ、光栄だろう」

「信じて疑ってない、すごい、そういうところが好き」

「果たして誰に言うべきか、クロウリーで問題は無いのだろうか」



リリア、確か部屋に空きが…いや、僕の部屋に住まわせば…とかなんとか言って大真面目に考え出すツノ太郎をどう機嫌を損ねずに止められようか。



「笑ってないで助けてくださいよリリア先輩ー!!」

「これから先、マレウスを窘めなければ行けない場面など数多も出てくる。腕の鍛えどきじゃ。これも鍛錬じゃ。」





やけにご機嫌なリリア先輩と、明暗を思いついたと目を細めるマレウスと。背中に伝う汗が止まらないディアソムニアでのひととき。






end