この一週間、真島が『ロンディネ』に姿を見せない。
それまで、彼は三日に一度は来ていた。
やはり、この間の事が原因なのか、ただ単に忙しいだけなのか…。
彼の事だ、この店に来ていたのもただの気まぐれだったのかもしれない。
そんな事を思いながら、彩香はオーナー室でパソコンに売り上げを打ち込んでいた。
「オーナー」
ドアの向こうから瑠伽の声がした。
「オーナーと話がしたいと、小室様がお呼びですが…」
「またなの?」
「はい、どうしましょう」
「すぐ行く」
はぁー。とため息をついて、机に飾ってある写真立てに目をやり、
「ちょっと行って来るね」
言うと同時にノートパソコンを閉じた。
「おう、オーナーさん」
「小室様。いらっしゃいませ」
この小室という客は、たまに来ては彩香を指名したがる。
別に駄目という訳ではないのだが、彩香は客に付く事に抵抗があった。
あくまでこの店のメインはキャストである女の子で、オーナーの自分は彼女らの働きやすいようにしてあげる「縁の下の力持ち」的ポジションと考えているからだ。
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