店内に訪れる沈黙。
それを破ったのは真島だった。
「あーぁ。二人で楽しく酒飲もう思うっとたのに、なんや冷めてもうたわ」
そう言って一万円札を三枚程テーブルの上に置くと。
「オーナーはん、すまんがワシ行くわ。後はこれで好きに飲んっだて。ホンマはこの間の事謝りたかったんやけど、いらん邪魔入ってしもたし続きはまた今度な」
「え、ちょっと真島さん。こんなに困りますっっ!!」
焦る彩香に背中を向け、今度は秋山の肩に手を掛け耳元で囁く。
「俺はなあ、だぁーれの指図も受けへん。オーナーはんとも今まで通り仲良うさせてもらうで」
「覚えとけ」そう言って秋山から離れると、「ほな」とドアを開けて出て行った。
「あーあ、困った人だねまったく…」
秋山は彩香の隣に席を移して笑う。
「すいませんでした……私の行動、浅はかでした」
隣で小さくなってる彩香に秋山は困ったようにため息をつくと
「もういいから」
彩香の背中に手をまわしポンポンと叩く。
「しかし、まいったなあ。あの人ほんと蛇みたいにしつこい人だから。彩香さんの性格だと、強く断れないでしょ?」
「………」
「もう、行こうか。送るよ」
そう言って、秋山は席を立った。
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