「……おい」

彼の視線が彩香の首筋に向けられた。

「首に赤いのついてんで?」

「え?」

真島の顔が険しくなる。

「あの男につけられたんか?」

薄く赤く色づくそれは、どう見てもキスマークだった。



真島は無言で彩香に近づき、片手を彼女の後頭部を支えるように添える。

「ま、真島さん!?」

「あの男に付けられたん思うと胸糞悪いわ」

怖い顔でそう言うと、もう片方の手で腕を掴まれた。

「やっ…何するんですか!?」

空いている方の手で真島の肩を掴み必死で抵抗するも、敵うはずもなく

「じっとしとけ」

と低い声で一喝された。


真島はそのまま、彩香の首筋に顔をうずめた。

「っっ!!!」

首筋に、湿った生温かさを感じて彩香の身体は強ばった。



ゆっくりとキスマークの周りに舌を這わせると。

「…う…ンンッ――…ッ」

頭の芯に電気が走るような感覚を覚え、彩香はたまらず目を閉じた。



「…ま…じまさん…もう、止め…て」

彩香の反応に、真島は薄く笑うと、キュっと強く吸い付いた。

「――あっ!!…んンっっ――!!」

与えられる感覚に耐えるように、真島の肩を掴む指にグッと力が入る。



チュッと音を立てて、真島の唇が離れる。

そして涙目の彩香の顔を見て

「上書きや」

とニヤリと笑った。

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