「やっちゃった、どーしよ蜜虫」





屋敷の中へと消えた玲と蜜虫。

開口一番、玲はそんな事を言うのだ。





「叩いちゃったよー、嫌われてないかな…」

「晴明様は、そんな心の狭い方では無いぞ?」





何故、かのような事を気にするのか…。

蜜虫にはそれが不思議でならない。

実際、あの言動は晴明の楽しみの一環で

毎回、あのようなオチなのだ。

だから、何度も玲は晴明を叩いてる上、

二・三度、術を使って吹っ飛ばそうとした事もある。

それでも、晴明が玲をからかうのは

やはり面白いからで。

そもそも、そんな事、気にする必要が無いほど

式神達から見ても玲は好かれている。

あの無表情の張り付けたような笑みが

本物の笑みに変わるのは、玲の前だけなのに。

主、本人は気付いていないかも知れないが

端から見れば、主は玲の事を好きなのだ。





「そう?というよりカッコいいなー」

「また始まった」





そんな心配をする玲自身も

ただいま桃色オーラに包まれている。

その理由は一つ、先の話の主・安倍晴明だ。

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