「みんな、ご飯よー!」

シャーロットの声に、目に入るギリギリまで散らばっていた子供たちが色とりどりの返事の声を上げた。
ボール遊びをしていた子はボールを、縄跳びをしていた子は縄を、手にして駆け戻ってくる。
戸口に立ったまま、シャーロットは続ける。

「カミュ? フレド、カミュを連れてきてくれる?」
「オッケ!」
「ヴィスはエミィをお願い」
「はーい」

あれから随分と時間が経った気もするし、あっという間だった気もする。
ほどなく、シャーロットは勤めていた学校を辞めて神父の経営する教会隣接の孤児院で手伝いをするようになった。

こじんまりとした教会であるのに子供たちは少なくはなく、手が足りていない様子にいてもたってもいられなくなったのだ。
経営自体は神父があちらこちらに出張していることもあり、なんとか賄えているようだったが。

「テーブルの用意、手伝ってくれるかしら。リズ?」
「んっ!」

ぱたぱた小走りで室内を動き始めるエリザベスに笑みを向けてから、食事を盛りつけるために皿を取り出す。視界の端で金の髪が揺れる。
家族には反対され理解されないままではあるが、自分の判断を間違っているとは思っていない。子供たちの笑顔を見ていると特に。

「姉さん、」
「ウィルが来てんぜー」

歩いて帰ってきたケヴィンと、彼を押しのけて駆け込んで言葉を奪ったアルフレド。
不機嫌顔でアルフレドを睨んだケヴィンは、手を洗いシャーロットが用意した皿をテーブルに運ぶ。テーブルはエリザベスによって綺麗に拭かれている。

「あら、一昨日も来てなかった?」
「何かやらかして助けてもらいに来たんじゃね?」

にやにや笑うフレドにケヴィンが「いつもやらかしまくってんのはお前だろ」とため息。同い年のこの二人はいつだって対照的だ。

「神父さまにお声かけてくるから、残さずにね?」
「「はーい」」

シャーロットは全員分の食事が並べられたのを見届けるとエプロンを畳み、最年長のヴィンセントにその場を任せた。





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