戦忍、といっても私は”ちょっと”動きのいい斥候だ。
そんな私がひょんなことから忍術学園で働き始めて2回目の春を迎えた。



「土井先生、大丈夫ですか」
「…すみません梅乃先生」

柱に手をついて胃を押さえて辛そうにしている土井先生を見かけたので背中を摩るのはもう3回目だ
大方また一年は組のテストの点数が悪かったんだろう。
聞くのも野暮だ。胃痛を酷くさせてしまう。


「六年生は実習でいませんし、担当クラスを持たない私は基本暇人ですから」
「いやぁすみません…」

広い背中なのにしっかり筋肉ついてるなぁ。
ぼんやりそんなことを考えながら背中を摩っていると土井先生は口元を布で拭いて少し楽になったと言って笑みを浮かべる。
あれ、そういえば

「そういえば…今日は火薬委員会の活動があると久々知兵介が言っていましたが」

梅乃がそういうと、半助はあぁ!と大きな声を出す

「そうでした!胃痛ですっかり忘れてました!ありがとうございます梅乃先生」
「火薬は慎重に扱わなければいけませんから、お早く」
「このお礼は、次食堂で練り物が出たときにお返ししますよ」
「好き嫌いはいけません」

半助は聞こえていないフリをして片手を挙げてその場を立ち去る



「…さて、私は実習から帰ってくる六年生を迎え入れる準備をしよう」

そう言って梅乃は六年生の名簿を取りに自室に向かう。
今日の実習は合戦の敵地偵察だ。彼らの実力から負傷はしないだろうが、敵忍者に実見つかったらどうなるかわからない。

私が帰ってきた六年生の名前の横には丸をつけているのだが、卒業するまでは丸の数が減らないことを願うばかりだ。