忍術学園の大門の前に着けば閂を外した瞬間に扉が少し押された
その隙間から見知った顔が見えれば梅乃はクスリと笑みを浮かべる

「…今回も一番乗りとはさすがだね。立花仙蔵くん」

「おつかれさまです梅乃先生。また私が一番でしたか」

サラ、とストレートヘアを靡かせて現れたのは六年い組の立花仙蔵
作法委員会委員長で眉目秀麗、成績優秀でありこの子がどの城仕えになるのか、引く手数多だろうと将来が楽しみな子である。

「お疲れ様。この位の任務なら立花くんが一番早いだろうと思っていたから予想通りで安心したよ」

そう言って梅乃は名簿を開き立花仙蔵とある行に丸印と1という数字を書き込む

「…任務内容の結果と経過については明日までに書面で提出。私が見当たらなければ小松田さんにでも渡して」

すらすらと話しながら提出用の白紙の書類を仙蔵に渡す

「わかりました。…ところで梅乃先生、前から気になっていたんですが…梅乃先生は元戦忍だったんですよね」

「えぇ。腕はさておき、一応ね」

「今度、話を聞かせてください。今日の合戦で少し興味が」

「…えぇ。私の話でよけでばいつでも。」

梅乃は小さく笑ってそう答えた


「では、私はこれで」

「お疲れさま」



仙蔵は戦の偵察中、ある忍の会話を聞いた。
”先輩、そういやあの子元気にやってますかね”
”あの子って言われても解るわけないだろう。”

下っ端忍者なのか仙蔵の気配には気がついていないようで呑気に会話をしている

”あの子ですよ。左目に泣き黒子のあるくの一!”
”あぁ、梅乃か。さぁなー…まぁでも組頭が”

仙蔵は梅乃の名前が耳に聞こえた瞬間、息を潜めた
そしてそのまま紡がれる言葉を聞くと静かにその場を立ち去った


”組頭が今、梅乃の居場所を探してる”