つぎ

二番
現実を知った

バンッと大きな音を立ててクラッカーさんの寝室のドアを開けて中に入る。

『クラッカーさん!!』

「・・・・・・・・・。」

クラッカーさんはソファーに座っていた。しかし私が部屋に入ってもこっちを見向きもしなかった。クラッカーさんに近づく。

『あ、あの!!クラッカーさん!!大変です!クラッカーさんが街に何人も!!能力者の仕業かもしれません!!あのー!クラッカーさんってば!』

私は朝起きて窓から見える街の様子を見て驚いた。クラッカーさんが街を巡回しているではないか!しかも一人じゃなく何十体も!遠くから見ただけだから確信はないけど多分あれはクラッカーさんだったと思う!

その驚いたテンションのまま彼の寝室に来たのだが呼びかけてもソファーに座っている彼は目は空いているのに反応がない。


大声で叫んでみた、反応なし。

肩を揺らしてみた、反応なし。

彼の髭を引っ張ってみた、反応なし。

彼に目潰しをしてみ・・・


「おい。俺の鎧にむかって何をしようとしている。」

『ぎゃぁあああああああ!!頭割れる!割れるんで!!いや!あの!ミシミシいってるんですー!!』

誰かわからないが誰かに頭をガシッとそれはもうガシッと掴まれた。しばらくしてぱっと手を離された。あれ?私の頭割れてない?大丈夫?

恐る恐る後ろを振り返るとそこには紫の長い髪を三つに分け、目に傷がある見覚えのない男が立っていた。腕をくんでこっちを見下ろしている。圧が半端ない。泣きそう。

『ど、どちら様でしょうかー?』

「・・・・・・・・・?・・・あぁ、そうか。この姿では初めてか。」

といいながら、パン、パン、パンと手を叩き始めた謎の男。すると、どこからともなくお菓子だろうか?香ばしい香りのするものがでてきた。それは形を変え、人型になってきた。

あれ?待って、これってクラッカーさんじゃない?

『ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!』

嘘でしょ!?!?一応私の夫である人がポンポンって手を叩くだけで出てきたんだけど!!!

もはや謎の男が作り出した人型はクラッカーさん以外に見えないまでに発展していた。私が口をポカーンと開け、唖然としていると目の前の男はニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。

「改めて自己紹介をしよう。おれがシャーロット家10男クラッカーだ。」

『え、え、え?ええええええぇぇ!?嘘でしょーー!?!?』



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『え、じゃああのソファーに座ってる人は・・・。』

「俺の能力で作った鎧だ。」

『え、でも結婚式に新郎として参加していたのは・・・。』

「あの鎧の中におれが入っていたんだ。」

『え、では私の夫は・・・』

「おれということだな。」

『なんですと!!!!!!!』


結婚式から2日たち、初めて夫の顔を知りました。


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