あぁ、神様。どうしてこんなことに。私は想像だにしていなかった。まさか、まさか・・・こんなことになるだなんて。
いや確かにここ最近は驚きの連続だったよ?千空が御前試合で優勝するし、千空のお父さんがこの村を作った人だったり、村の人達が私の大好きなアーティスト、リリアンの子孫かもしれないということだったり。そして司軍からの敵襲で金狼が傷を負ってしまったり。それはもう普通に石化前みたいにのんびり生きてただけじゃ絶対確実に起こりえないことばかりで目まぐるしかった。
加えて今私は新たな試練を与えられてしまったようだ。
「金狼超絶かっこいい・・・!!!」
「あー、うるせえうるせえ。とっとと働け。」
「千空、素晴らしすぎるよ!これ!もう、私、千空を崇め奉りたい!」
「なんで金狼本人よりお前の方が喜んでんだよ。」
「いやだってさあー!よかったね。金狼!」
「ああ。本当によく見える。」
私の愛し恋しの金狼の目の辺りできらりと光るものが。そう!メガネをかけているのだ。いやぁ、雰囲気変わるねえ。
「お、という事はもしかして私の顔もよく見えるようになった!?意外と可愛かったんだな、こいつ!みたいなメガネとかコンタクトの広告にありそーな展開になったりしない!?」
「いや、特に変わりはないな。」
「断言された・・・!!」
私はガクッと地面に沈みこんだ。どこにも向けようのない悲しさが私を襲う。
「コンタクトとはなんだ。」
「あー、気にすんな。こいつのただの馬鹿話だ。」
「馬鹿話・・・!」
扱いが酷い!もうなんか、悲しくて悲しくて涙出てきそうだよ、いやもう泣く。
「名前。お前は元から距離が近い。」
「・・・・・・!確かに!そう言われてみればそうだね。」
そっか、今までは金狼近く以外はあんまり見えてなかったって事だもんね。
「あれ?ということは金狼にハグしに行くのって距離縮めるための正攻法だったってことじゃん!いやっほーい!」
「頭ん中お花畑かよ。」
「なんとでも言って!千空!私は金狼見てるだけで光合成的な感じでエネルギーゲットしてるから!」
「どういう身体の作りしてやがんだ、それ。」
千空が冷めた目でこっちを見る。
まあいい!これからはあんなかっこいい金狼が眼鏡をつけるーっていうギャップ萌えを存分に楽しめるんだから!!いやあ、今から毎日が楽しみだー。
・・・と思ったのだけれど。
「なんでそんなに私のハグを避けるのさぁぁああ!!」
「凄いな。視界が良いだけでここまで違うのか・・・!」
「んもーー!!そんな生き生きとしないでよー!こんな避けられるようになるなんて!!・・・・・・・・・・・・いや、これは試練なんだね!金狼!お前ならこの位の障壁は乗り越えられるだろう!てきな!」
「そんなわけないだろう!!」
「んもう!最近やっっっっつと大人しくハグさせてくれるようになってたのにいいい!!」
暫く私が金狼を四六時中追いかけ回すという光景が続きました。