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名前や千空が現れてから暫く経った時のことだった。夜もだいぶ前に更け、そろそろ寝ようかという時のこと。


「ねえねえ!ちょっと思ったんだけどさ、」


「なんだ。銀狼。」


大体今までの経験からこう銀狼が言い出すことはろくな事を言ったことがない。俺は少し身構えた。


「ほらほら!名前ちゃんとか千空ってよそ者だから村に入れないじゃん?」


「そうだな。」


「ってことはだよ?あの二人、いやクロムとかもかな?一緒にクロムの倉庫で眠ってるんじゃない!?それってさ!なんかこう・・・・・・あれだよねえ!」


「・・・・・・!話が下世話すぎるぞ、銀狼!」


「えぇー!でもさ、でもさ!気にならない!?仮にも名前ちゃんは将来金狼のお嫁さん候補なんだからさあ!」


「・・・洗脳されたな。」








様子見に行こうよ、という銀狼の発言で様子を見に行くことになった。本当はもう夜だから寝ようという方向に持っていこうとしたのだが、皆が寝静まった後に村を襲う用の兵器とか作ってたらどうするの!という主張に折れてしまった。門番として村の平和は守らねばならん。


近頃ラーメンをだしにしてフーフー作業とやらを行っていたようだが今は深夜のため、クロムの倉庫前には誰もおらずガランとしていた。何も無い。帰るぞ。と銀狼に告げようとしていた時だった。茂みの方から何やら小声で話しているのが聞こえてきた。







「ゲン!・・・もっと・・・!」


「えぇー。まだ?俺、ちょっと疲れちゃ・・・」


「だめだめ・・・!」


「名前ちゃん、体力バイヤーすぎでしょ・・・。」


「だって、こんなこと滅多に出来ないじゃん!」


「しー!声抑えて・・・!もう深夜なんだから・・・!」


「ほら、千空あんな感じだからさ、絶対無理だし・・・」


「うん。まあそれは何となくわかる気がする。」








「ええーっ。待ってこれって名前ちゃんじゃない!?」


銀狼の言う通り二人のうち片方の声は名前だった。しかしあたりは暗く、人影のようなものしか見えないので何をしているのかは分からない。


「やっぱりこれ、そういう事なの・・・!?会話それっぽいし。」


もっと人影をはっきり見ようとした銀狼が落ちていた枝をパキッと踏んだ。その瞬間二人がばっ!とこっちを振り向いた気がした。


「あれ?金狼銀狼じゃん!」


あぁ、これは聞き間違えのない声。名前だ。そしていつもの如く気づけば俺に引っ付いていた。


「いえーい!マイダーリン!こんな時間に会いに来てくれるなんてもう、そういう事!?結婚しちゃう??」


「ああ、うん。なるほど。これがデフォルトね。名前ちゃん。分かっちゃった分かっちゃった。君には恋愛の駆け引きなんて向いてない。」


「えぇー!嘘でしょ、ゲンー!」


「離せ!」


「あれ?夜の密会してたんじゃないの?」


「?まあ、密会っちゃ密会だね!」


先程の静かな雰囲気とは一変して、騒がしくなった。背中に引っ付いてくる名前を引き剥がそうとしながら奥を見ると、この前千空たちがラーメンとやらを配り始めた時に現れた男がいた。どこか胡散臭いというか信用出来ない奴だ。


「お前たち二人ともこんな深夜に何をしていた。」


「それ聞いちゃう?ちょっと金狼ちゃん、野暮じゃない?男と女が深夜にこっそり集まってやることと言ったら一つでしょ。」


「えー!やっぱそういうことなの!?名前ちゃん!」


「あれ?ゲン、もしかしてめちゃくちゃいい加減なこと言ってない?ちょっとー!金狼超絶ラブな私としては困るよ!!金狼と私は永遠の愛を誓い合った仲なんだ・・・・・・!いだっ!!ゲンコツしなくてもいいじゃんか!!金狼ー!」


「お前もいい加減なこと言ってるだろうが!」


「てへ。・・・あー!!!嘘です嘘です!反省してますー!」


怒りの眼差しを名前に向ければすぐにひゅ!っと離れていった。


「まぁいい。村に仇をなす様なことをしたら容赦はしない。・・・帰るぞ銀狼。」

ちぇーと残念そうな銀狼の襟を掴んで村の方へ歩く。村へと続く橋が見えてきた辺りで銀狼がふっと言葉を発した。


「でも二人がそういうことしてなかったって分かって金狼ちょっと安心したでしょ?」


「そんな訳ないだろう。」


「またまたぁー。ちょっと焦ってたくせにー。」


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「ゲン!さっきのがね、私の大好きな人、金狼!!どうどう?メンタリストさんから見た感じ脈アリそうー!?」


「うんうん。全然あると思うよ。」


「あ、早く戻りたいからってテキトーに返事してるっしょ!!んもー!」


「あれ、バレちゃった?」


「でも、まあ、ありがとう!恋愛相談なんてできる人居なかったし。」


「ほぼ強制だったけどね。・・・でもまさかホントに深夜に呼び出されてやることが恋愛相談だなんてジーマーで予想つかなかったけど。」


「ん?」


「いや、なんでもない。」


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